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配当利回りについて・計算方法をわかりやすく解説!

記事公開日 2024/7/25 18:00 最終更新日 2024/7/25 18:00 経済・ビジネス コラム・インタビュー 市場用語再点検 金融コラム

市場用語再点検!配当利回り

【QUICK Money World 辰巳 華世】株式投資では、配当から利益を得ることができます。銘柄を選ぶ基準の一つに配当利回りを意識する投資家も多いと思います。今回は、配当利回りについて、配当利回りの計算方法、配当利回りが高い株を購入すれば儲けられるのか、配当利回りを基準に銘柄を選ぶ時のポイント、配当利回りを基準に選ぶおすすめ銘柄、株を買うと配当金は必ずもらえるのか、配当金だけじゃない!株主優待について紹介します。

配当利回りは年間の配当割合を示す指標

配当利回りとは、購入した時点の株価に対する、予想もしくは実績での、年間配当金の割合を示したものです。一般的に業績が良い企業は1年に1回、もしくは年2回、株主に対して配当を出します。資産を保有することで取得する収入をインカムゲインと呼びますが、株式投資の場合は配当金の受け取りなどがこれに該当します。

配当利回りの計算方法

配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価格×100

配当利回りの単位は%で、数字が高ければ高いほど、取得価格に対する配当金の割合が大きくなります。

配当利回りは、株価によって上下します。年間配当金額が同じで、購入価格が高いと配当利回りは下がり、逆に購入価格が低いと、配当利回りは上昇します。分母が株価なので株価が下がると相対的に利回りが高くなります。

 

配当利回りが高い株を購入すれば儲けられるの?

配当利回りは、常に変動する値です。株価は日々動いています。配当利回り=年間配当金÷株価×100で算出するので、配当利回りも株価の影響を受けて変動します。上記で説明した様に、年間配当金に変化がなく株価が低下した場合は、配当利回りは大きくなります。

配当利回りは高いほど株式の取得価格に対して受領する配当金の割合も大きくなります。しかし、配当利回りが高い銘柄ばかり購入すれば儲けられるのか?と言えば、必ずしもそういうわけでもありません。考え方を見てみましょう。

例えば、配当利回りが高い銘柄があり投資を検討しているとします。配当利回りが高い。これは、裏を返せば、年間配当金に対して株価が安いので配当利回りが高くなっているという面もあります。ここで大切なのは、なぜ株価が安いのか?ということを分析することです。

株価が低下する要因はいろいろあります。経済環境や市場の需給要因、個別銘柄の要因など様々です。もし、株価の低下が個別銘柄の業績悪化が原因だとした場合、高い配当利回りだけに魅力を感じて購入して良いものでしょうか。

業績悪化で更に株価が低迷する可能性もあります。そうなれば得られる配当以上に売却する際に株価下落の損失を受ける可能性もあります。更に言えば、配当は必ずあるものではありません。企業は経営状況によっては配当を減配したり、無配にする可能性もあります。

なので、配当利回りが高い株を購入すれば儲けられるのかという問いには必ずしも「Yes」とは言えません。大切なことは、配当利回りだけに注目するのではなく、その企業の経営状況や全体の相場の流れなど総合的にみてその配当利回りに魅力があるのかを判断することです。

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配当利回りを基準に銘柄を選ぶ時のポイント

配当利回り「だけ」に注目して銘柄を選ぶのは必ずしも得策ではありませんが、それでも配当利回りも投資判断の基準として注目すべき値です。ここでは具体的に配当利回りを基準に銘柄を選ぶ時のポイントを紹介します。

配当利回りを狙った投資と考えた場合、一つの目安として配当利回り3%程度があると魅力的です。日経平均採用銘柄などある程度の規模と安定感がある銘柄の中から探すのがおすすめです。例えば、7月22日時点の日経平均採用銘柄の中で配当利回りが3%以上の銘柄を探すと77銘柄ありました。

その中から自分で気になる銘柄を探し、銘柄の配当利回りと過去の配当の状況を確認してみましょう。同時に経営状況と株価の推移、今後の業績予想なども確認しましょう。なお、企業によっては配当方針で、純利益の何パーセント以上を配当するといった「公約配当性向」を掲げている場合があります。業績予想に対し実績に上積みがあった場合には、連動して配当金の増額が期待できます。半面、実績が計画に未達の場合には配当金額が減額される可能性もあります。

このほか、配当利回りが3%以下の銘柄でも、過去に連続で配当金を増やしている企業もねらい目だったりします。また、国内株だけでなく、米国株も視野にいれると購入候補が広がります。ただ、海外株の場合は為替の影響なども影響するので注意が必要です。

配当利回りを基準に選ぶおすすめ銘柄を紹介

例えば7月22日終値ベース日経平均採用銘柄の中では、配当利回りランキングトップは、JFEホールディングス5411)の4.89%、2位は日本製鉄5401)の4.83%、3位が神戸製鋼所5406)の4.68%でした。

日経平均採用銘柄で配当利回り3%以上の銘柄は77銘柄もありました。よく見ると、資源開発や洋上風力発電、脱炭素といったテーマ株で名前がでる総合商社も利回り3%以上にランクインしています。日銀のマイナス金利政策の解除により金利の先高観も強まるなか、業績の堅調な推移が見込めるとして2025年3月期に大幅な増配方針を発表した3メガバンクの一角も含まれています。配当利回りだけでなく、他にも注目すべき材料を持つ銘柄も多くありそうです。

 配当利回りは、配当に変化がなくても株価の動きでその時々で変わります。もちろん企業が配当額を変更しても配当利回りは上下します。なので、投資を検討するタイミングで例えば配当利回り3%以上など自分が希望する条件で調べ、その中から企業の業績や今後の成長性、過去の配当事例などを踏まえて銘柄を選別すると良いでしょう。

順位 銘柄コード 銘柄名 配当利回り
1 5411 JFE   4.89%
2 5401 日本製鉄 4.83%
3 5406 神戸鋼   4.68%
4 7201 日産自   4.67%
5 1808 長谷工   4.60%
6 4061 デンカ   4.59%
6 4502 武 田   4.59%
8 4503 アステラス薬  4.52%
9 8252 丸井G   4.38%
10 2914 J T   4.34%
10 7762 シチズン    4.34%
12 9434 ソフトバンク  4.29%
13 6471 日精工   4.27%
14 7261 マツダ   4.25%
15 7202 いすゞ   4.18%
16 9147 NXHD 4.14%
17 4042 東ソー   4.08%
18 7267 ホンダ   4.06%
19 5201 AGC   4.04%
20 4208 UBE   4.00%
21 2768 双  日   3.98%
22 8725 MS&AD    3.95%
23 9104 商船三井 3.93%
24 1802 大林組   3.92%
25 6305 日立建   3.84%
26 8309 三住トラスト 3.77%
26 9107 川崎船   3.77%
28 3861 王子HD   3.75%
29 6770 アルプスアル  3.74%
30 6952 カシオ   3.67%
31 5214 日電硝   3.60%
32 4188 三菱ケミG  3.58%
32 9101 郵 船   3.58%
34 5711 三菱マ   3.52%
35 6472 NTN   3.49%
36 4043 トクヤマ 3.48%
37 3407 旭化成   3.46%
38 4324 電通G   3.43%
38 5108 ブリヂストン 3.43%
40 1925 大和ハウス  3.41%
41 6301 コマツ   3.40%
42 7751 キヤノン 3.39%
42 8601 大和証G 3.39%
44 6113 アマダ   3.38%
44 8411 みずほ   3.38%
46 1721 コムシスHD   3.37%
47 4021 日産化   3.36%
47 4183 三井化学 3.36%
49 1928 積水ハウス  3.35%
50 8630 SOMPOHD  3.32%
51 2503 キリンHD 3.31%
51 7272 ヤマハ 発   3.31%
53 8053 住友商   3.30%
54 4631 DIC   3.28%
54 8015 豊通商   3.28%
56 7731 ニコン   3.26%
57 9432 NTT   3.25%
58 5019 出光興産 3.21%
59 1605 INPEX    3.20%
59 7211 三菱自   3.20%
61 9201 JAL   3.19%
62 5831 しずおか 3.17%
63 1963 日揮HD 3.14%
63 6178 日本郵政 3.14%
63 9502 中部電   3.14%
66 5301 東海カーボ 3.13%
66 9433 KDDI 3.13%
68 1812 鹿 島   3.12%
69 8304 あおぞら 3.08%
70 7270 SUBARU   3.07%
71 5802 住友電   3.05%
71 8058 三菱商   3.05%
73 8354 ふくおか 3.04%
74 8253 クレセゾン   3.03%
75 8316 三井住友 3.02%
75 9301 三菱倉   3.02%
77 8002 丸 紅   3.00%

株を買うと配当金は必ずもらえるの?

配当金は必ずもらえるものではありません。会社の経営状況で配当金の有無は変わります。経営状況が悪化すれば、予定していた配当から減配する可能性もありますし、無配になることもあります。会社によって異なりますが、配当金を受け取れる回数は本決算時期のみの年1回か、本決算時期と中間決算時期の年2回の場合が多いです。実際に支払われる時期は、中間期末や期末など、割り当て期日から2~3カ月後になります。

 

配当金だけじゃない!株主優待も受け取れる

株主への利益還元では配当金だけでなく株主優待を実施している企業もあります。株主優待とは、株主が企業から貰える商品やサービスなどの優待のことです。優待の内容は、株主が「貰えるとちょっと嬉しいな!」と思える品々です。自社製品やお米、クオカードなどの金券や優待券、カタログギフトなど様々なタイプがあります。株主優待は、企業が株を保有してくれる株主への御礼として贈られるものと捉えても良いです。なお、株主優待は全ての企業が実施しているわけではありません。投資を検討する企業が株主優待を実施しているかどうかは確認しましょう。

まとめ

配当利回りは、配当利回りとは、購入した株価に対して一年間でどれだけの配当を受け取ることができるかを示したものです。配当利回りが高い=儲けられる、というわけではなないので注意しましょう。総合的に判断して投資をすることが大切です。

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著者名

QUICK Money World 辰巳 華世

2003年にQUICKに入社後、15年間勤務。約5年にわたり日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)にて記者職に就く。QUICK退社後、フリーランスライターとして2020年より「QUICK Money World」に寄稿。


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