【NQNシンガポール=秋山文人】シンガポールの中央銀行にあたる金融通貨庁(MAS)は24日、四半期に1度の金融政策の見直しを実施し、金融緩和すると決めた。金融緩和は新型コロナウイルスの感染拡大による市場の混乱期に実施した2020年3月以来約5年ぶり。インフレの鈍化や米トランプ政権の発足による世界経済の不透明感を背景に景気下支えへとかじを切る。
MASは金融政策について、政策金利の上げ下げではなくシンガポールドルの名目実効為替レートの調節で運営している。今回はレートの変動スピードの抑制を決めた。名目実効為替レートの上昇が鈍くなるため、MASでは緩和の手法の1つとして位置付けている。
今回の政策決定を巡り、市場予想は緩和と現状維持で割れていた。