3月6日(木)、マレットジャパンで2種類のオークションが開催された。オンライン限定のM-Live Auctionには参加しやすい価格帯の作品110点が出品され、そのうち67点が落札された。落札総額は1579万円(落札手数料含まず・以下同)に達した。一方、Sale#20250306では、草間彌生やベルナール・ビュッフェのオリジナル作品、パブロ・ピカソやマルク・シャガールなど、ヨーロッパの巨匠による版画を含む107点が出品され、そのうち91点が落札されている。落札総額は1億9875万円に上った。両セールの落札総額は2億1454万円に達し、落札率は72.8%を記録した。
《南瓜》など草間彌生の作品がいずれも高額落札
Sale#20250306のオークションでは、カタログの表紙を飾った草間彌生の作品に注目が集まった。草間の象徴的なモチーフである黄色い南瓜を描いたLOT.054《南瓜》(油彩・キャンバス、22.9×16.2cm)は、落札予想価格の4000~6000万円を超える6200万円で落札され、本セールの最高落札額となった。他に出品された6点の作品すべてが落札予想価格を超えて落札された。草間作品だけで落札総額は1億940万円に達し、彼女の市場での安定した人気を裏付ける結果となった。 そして落札予想価格を大幅に上回る落札で会場を沸かせたのは、インド出身の現代美術家サクティ・ボーマンの作品である。LOT.080《誘惑》(油彩・キャンバス、60.0×46.0㎝)は、落札予想価格300~400万円に対し、860万円で落札された。ボーマンの作品は、インドやフランスをはじめとする国際的なアート市場で多く取引されており、国内での出品が少ない中関心を集め好結果に終わり、さらに評価を高めた。
キース・へリングの落札価格が右肩上がり
今回のレポートでは、アメリカのストリートアートとポップアートを結びつけた伝説的なアーティスト、キース・へリング(Keith Haring、1928-1987)を取り上げる。彼は、シンプルで力強いラインや鮮やかな色彩で「踊る人々」や「吠える犬」などの独創的なモチーフで広く知られている。
今回のセールでは、序盤に版画作品が3点続けて出品され、いずれも落札予想価格を上回る価格で落札された。その中のひとつ、LOT.008《「Pop Shop II」より Pl.3》(シルクスクリーン、27.0×35.0cm、ed60/200)は、落札予想価格200~300万円に対し、上限を超える360万円で落札された。直前のLOT.007も同じ「Pop Shop」シリーズに属する作品だったが、エステートプリントに該当する作品であった。エステートプリントとは、アーティストの生前制作ではなく、遺族や管理団体の監修で制作された作品を指し、オリジナル作品とは区別されることが多い。このため、LOT.008に比べ抑えた評価額で出品され、予想落札価格150~250万円に対し、160万円で落札されている。
エステートプリントを除く《Pop Shop》シリーズの落札結果を抽出分析した、ACF美術品指標から動向をみる。2019年から2020年の落札予想価格平均は100~150万円程度の横ばい推移に対し、落札価格平均は2019年の140万から翌2020年には240万円と右肩上がりに推移している。2023年には、落札予想価格平均が200~250万円に上昇し、落札価格平均は370万円まで達した。2024年、落札予想価格平均は180~300万円とさらに上昇するものの、落札価格平均は横ばいで推移した。2025年に入ると、落札予想価格平均は安定した状態を維持しつつ、落札価格平均は430万円にまで上昇している。いずれの年も落札は予想価格を上回る形で進み、全体として堅調な動きを見せている。現状、その価値は安定しており、今後も高い関心を集め続けることが期待される。
(月1回配信します)
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※マレットオークションの次回開催予定は5月15日(木)
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