金融庁が8日午前、仮想通貨交換事業を手掛ける7社を行政処分すると発表し、東京株式市場では仮想通貨関連の明暗が分かれた。投資家の間で業界の再編・淘汰や新しい需要の掘り起こしに対する思惑が交錯した。
子会社が仮想通貨交換業を営むリミックスポイント(2部、3825)は一時前日比91円(9.9%)高の1012円に上昇した。同社の子会社は処分の対象外で、残存者メリットを得られるとの思惑から買いが膨らんだ。新たに交換業への進出を計画しているSBIホールディングス(8473)も206円(7.9%)高の2828円まで上昇した。
■リミックスポイント
■SBIホールディングス
一方、傘下企業が改善命令を受けたGMOインターネット(9449)は114円(5.6%)安の1930円まで売られる場面があった。
■GMOインターネット
交換業運営以外の関連銘柄で上昇が目立ったのがイー・ガーディアン(6050)だ。一時460円(14.0%)高の3755円まで買われ、株式分割考慮後の実質的な上場来高値を更新し
た。
■イー・ガーディアン
同社は仮想通貨取引の口座開設時に本人確認審査を代行するサービスを提供している。交換所の管理体制の強化が求められる中、提供するサービスの需要が高まるとの期待を呼んだ。
2月1日に発表した2017年10~12月期連結決算は純利益が前年同期比63%増の1億8700万円と、業績が好調な点も好材料だ。「業績のけん引役はスマートフォン(スマホ)向けゲームの不具合(バグ)検証などを代行するゲームサポート事業」(国内シンクタンクのアナリスト)で成長が期待されている。
今後の物色傾向について市場では、「仮想通貨関連というだけで手当たり次第に買われた段階から、ブロックチェーン(分散型台帳)技術をいかに活用できるかという点に投資家の関心が移っていく」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)との見方があった。
【日経QUICKニュース(NQN ) 三好理穂】
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