トランプ米大統領は15日、自身のツイッターで「ラリー・クドローが国家経済会議(NEC)の委員長に就任することになる。わが国は長年、経済・金融共に大きな成功を成し遂げてきた。低い税率、他に類を見ないイノベーション、自由貿易、そして労働力の拡大が導いている!」とつぶやいた。
6日に辞任を表明したゲーリー・コーン委員長(元ゴールドマン・サックスの社長兼COO)の後任に、正式にクドロー氏を指名した。
そのクドロー氏は正式発表に先立ち、14日に米CNBCテレビの「クロージング・ベル」に出演。「中国は至る所でルールを破っている」などと述べて対中強硬姿勢を強めるトランプ政権の考えに歩調を併せる姿勢を示していた。CNBCのコメンテーターを務めているとはいえ、正式発表前にテレビで政策などに関する意見を表明するのは極めて珍しい。
一方、この日にクドロー氏はコメンテーターらしく、今後の見通しについても数多くの発言を行っていた。
「偉大な国には強い通貨が必要だ。(トランプ大統領が)強く、安定したドルを好まないと思っているとは、信じることができない」などと述べ、強いドル政策が好ましいとの見解を表明。「私はドルが30%くらい上昇しなければならないと言うつもりはないが。我々は国際準備通貨の価値を安定させるつもりだ」と発言した。
さらに「それによって、本国の信頼がつくられている」とも付け加え、安易なドル安誘導をけん制するかのような発言を行っていた。
その上で、「ドルがさらに大幅安となった場合、米連邦準備理事会(FRB)はドル安を阻止するためにさらに利上げを行うべきか?」と質問されたことに対し、「悪くないと思う、現時点では正しい」と回答。現在、ドルインデックスが90近辺にあることを踏まえて、ドル高にするためにFRBの追加利上げが適切との見解を示した。
★ドルインデックスの推移(QUICK FactSet Workstationより)
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