米商品先物取引委員会(CFTC)が8日発表した5日時点の建玉報告によると、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で投機筋(非商業部門)による原油先物の買越幅が7週続けて縮小した。前週比2万4252枚少ない58万3576枚と2017年11月下旬以来の小ささとなった。
チャートを見れば一目瞭然。原油先物相場が直近の高値(WTIで1バレル72ドル台)を付ける1カ月前から投機筋はマネーの引き揚げを始めていた。売りポジションを積み増した一方で買いポジションは7週連続して減らしている。原油相場の先高観はしぼむ一方で、米BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率、債券市場が織り込む期待インフレ率)の伸び悩みの一因もこのあたりにありそうだ。(岩切清司)
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