米商品先物取引委員会(CFTC)が24日に発表した21日時点の建玉報告によると、米10年物国債の先物市場で投機筋の売越幅は70万514枚と、データが開示されている1993年以降で最大となった。
ただ、新債券王と呼ばれるダブルライン・キャピタルのガンドラック氏が17日にスクイーズ(踏み上げ)が起きる可能性があると述べるなど、市場では長期金利の急低下を警戒する声が増えている。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は24日のジャクソンホールでの講演で、段階的に利上げを進める姿勢を示す一方、物価上昇については「2%を超えて過熱するリスクはみえない」と述べた。
この日の米債市場では当面の金融政策の影響を受けやすい2年金利と、中長期的な景気や物価見通しの影響を受けやすい10年金利の差が縮小し、2007年8月以来11年ぶりに0.2%を割り込んだ。(池谷信久)
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