お待ちかね、今年もこの日がやってきた。
アップルの新製品発表会が12日(日本時間13日2時)に開かれ、相場の支援材料として注目される。iPhoneやApple Watchの新機種などの効果で業績期待が高まるようなら、アップル株がけん引する形で短期的には堅調な相場展開が見込めそうだ。
今回はiPhoneの3機種が発表される見込み。5.8インチの有機エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレー(OLED)を搭載したiPhoneXのアップデート版(iPhoneXS・仮称)に加え、6.5インチのOLEDを使ったiPhoneXの大型版(iPhoneXS PLUS・仮称)、6.1インチの液晶パネル(LCD)を使った廉価版(iPhone9・仮称)である。
アップルの株価は毎年のiPhone発表イベント後、強含む傾向にある。イベント前日を100として、大型サイズのiPhone6が登場した2014年以降の株価推移をみると、唯一軟調だったのはiPhone8とiPhoneXが同時に発表された2017年だった(下記チャート参照)。
当時は最上位機種のXの生産が遅れ、11月に発売開始となったことが失望を招いたが、新製品発表というイベントで材料出尽くしとなるケースは少なく、むしろその後の業績期待で株価は上昇する傾向にある。今のところ、今回の3機種で大幅な生産の遅れなどは報じられておらず、新製品を踏まえた業績期待が高まる展開となれば米株のけん引役として期待できそうだ。
11日の米国市場でアップル株の買い材料となっていたUBSのリポートでは「アップル株はS&P500指数に対してインラインの状態で取引されており、アクティブ・マネジャーの間でまだアンダーウエイトの状態にある」と指摘していた。史上最高値圏にあるものの、まだ買いをためらっている投資家が多いのならイベント後に見直し買いが入ってもおかしくなさそうだ。
UBSは新型iPhoneの価格を低い順からそれぞれ699ドル、969ドル、1069ドルと仮定し、廉価版は市場予想並みに低水準にしつつ、XSは前年の999ドルを下回る969ドルと予想。さらにXS PLUSは1000ドルを超える水準でバランス良く価格が設定されると見込んでいた。(片平正ニ)
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