4月1日、2019年度の日本株相場が幕開けする。この日は新元号発表で祝賀ムードに包まれそうだが、その後は統一地方選や夏の参院選の行方、消費増税などにより消費が落ち込む懸念と不安要素が多い。なによりも先が読めないのが米英の政治リスク。このため、年末の日経平均株価の見通しを下方修正する弱気派がじわり増えている。
年末の日経平均の水準を昨年末時点から1000円引き下げ、2万1500円としたのはJPモルガン証券。米中貿易交渉や、英国の欧州連合(EU)離脱は当初の予定が先延ばしされ、政治リスクがなかなか拭えない。こうしたなか、4月末からの決算発表で、日本企業は2020年3月期業績で慎重な見通しを出してくるかもしれない。ここで弱い数字が相次いだ場合、高値を追うのは難しいと指摘、年末に向けて失速するとのシナリオだ。
一方、SMBC日興証券は年末に向けて騰勢を強めると読む。19年3月期は期を追うごとに業績が悪化したため、逆に来期は年後半にかけてハードルが低くなるとの見立てだ。中国経済が年後半に回復に転じることも業績の押し上げ要因としている。
今年はイレギュラーの10連休の影響も読み切れない。連休前にポジション調整の売りが膨らむ可能性がある。一方でレジャー関連銘柄などは注目されそうだ。例えば、オンラインで現地ツアーを予約できるサービスを提供するベルトラ(7048、マザーズ)は3月25日に高値を更新、エイチ・アイエス(9603)は1日に4520円と高値を付けるなど物色の手が既に伸びているようだ。(根岸てるみ)
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