QUICKコメントチーム=松下隆介
金にマネーが向かう流れが続いている。フランクリン・テンプルトンは29日付リポートで、金相場の先行きについて分析した。足元の上昇の背景に(1)米連邦準備理事会(FRB)の利下げなどを背景にした低金利環境が貿易加重米ドル指数を弱め、歴史的に逆相関の金価格を押し上げること、(2)米国によるイランへの制裁や米中貿易交渉の先行き不安など地政学的リスクの高まりに対するヘッジ需要が増えていること、(3)世界的な経済成長の鈍化懸念を背景に「安全資産」としての受け皿となっていること、(4)ポーランドの中央銀行が100トンの購入を発表するなど中央銀行の買いが増えていること、があるという。
「宝石類、ハイエンド電子機器の部品、安全な投資先、ポートフォリオの多様化などさまざまな需要から購入されている。短期的な方向性についての予測は難しいが、こうした需要が金価格や金鉱会社の株価を潜在的に下支えする可能性が高い」などと指摘した。
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