「株主優待についてアンケートしたところ、当社株式の購入動機は株主優待がトップで、約60%を占めています。当社の株主様=お客様であり、長期の関係を構築したいと考えています。そのために株主優待を通じ、当社の製品を株主様に知ってもらおうと頭をひねっています」と語るのは、エバラ食品の田崎力・経営企画室経営企画課担当課長。
エバラ食品の株主優待制度が始まったきっかけは、2003年11月の株式公開だ。その時の単元株数は、1,000株だったので、優待対象も1,000株以上の株主としていた。その後、段階的に株主優待制度を拡充してきている。単元株数を100株に変更(2013年10月)し、東証二部に市場変更(同年11月)にした際に、100株以上の株主向け優待制度を新設(翌年3月末より実施)した。さらに東証一部に市場変更(2014年12月)を経て、2016年12月には300~1,000株の株主向け優待制度を新設(翌年3月末より実施)している。
個人株主数は、優待制度開始の2004年から2013年まで1,700人前後で推移した。ジャスダック市場から東証二部に市場変更したことをきっかけに「会社の知名度も上がり」(田崎担当課長)、1,713人(2013年3月末)から2,805人(2014年3月末)に増加した。それ以降も個人株主の増加は続き、最近では当初の4倍にあたる6,987人(2017年3月末)になった。
エバラ食品では、株主優待で提供する製品の選定は、開発・マーケティング部門の意見を取り入れ、社内横断的な株主総会対応メンバーが毎年3月末に行っている。定番製品である「黄金の味」、「横濱舶来亭カレーフレーク」を中心に新製品を数品入れている。安定的な株主が多いことを物語る話として「『横濱舶来亭カレーフレーク』は、テレビCMなどを一切行っていないのですが、隠れたロングセラー製品として人気があります。株主優待でこの製品を知り、ファンになった方も多いと聞いています」(田崎担当課長)という。
株主優待の製品選定作業は、今がまさに佳境だ。
≪対象株主≫
毎年3月31日現在の株主名簿に記載または記録された株主に対し、株主優待を実施。
≪優待内容≫
100株以上 販売価格1,000円相当の当社製品セット
300株以上 販売価格3,000円相当の当社製品セット
1,000株以上 販売価格5,000円相当の当社製品セット及び5,000円分のQUOカード
※優待品は6月末までのお届けを予定。
ニッチな市場で高いシェアを占める製品を多く持つ調味料メーカー。「焼肉のたれ」「すき焼のたれ」等の「たれ」を強みとする。
主力の食品事業の製品は「黄金の味」「焼肉のたれ」「おろしのたれ」などの肉まわり調味料を中心に、「キムチ鍋の素」「すき焼のたれ」「プチっと鍋」等の鍋物調味料、「浅漬けの素」等の野菜まわり調味料、カレーフレークなど。家庭用、業務用に多種多様な製品を製造・販売する。経営理念”「こころ、はずむ、おいしさ。」の提供”を2015年に制定。お客様に喜んでいただきたいという情熱とチャレンジ精神を力に、「人を惹きつける、新しいおいしさ」と「期待で胸が膨らむ、ワクワクするおいしさ」を通じて、人と人との絆づくりの機会を広げていく思いと決意が込められている。
1958年、荏原食品設立。68年、「焼肉のたれ」発売、現社名に変更。78年、「黄金の味」発売、テレビCMを全国一斉放映。84年、宣伝部門を独立し、総合広告代理店業として横浜エージェンシー設立。90年、物流事業に進出。2005年、中国現地法人の荏原食品(上海)有限公司を設立。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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