米長期金利の上昇加速が相場の振れ増幅も
世界経済は、大型減税の効果を享受する米国の「ひとり勝ち」の様相が一段と鮮明になっている。これを背景に、米国株式はNYダウが10月3日に史上最高値を更新したものの、長期金利の上昇により、割高感が意識され急落。世界の金融資本市場は不安定な動きが続いている。
11月6日に実施された米国の中間選挙は、下院で民主党が8年ぶりに過半数を奪回した。大型減税と並ぶトランプ政権の公約の柱であるインフラ投資は、民主党も主要政策に掲げており、実現への期待は高い。ただ、米国の財政問題から、政策化は容易ではなく、実現するにしても、米国の長期金利の上昇が一段と加速し、金融資本市場における振幅の大きな動きを助長する可能性がある。
米中摩擦、FRBの利上げ、中国の景気対策の3点カギ
直近の世界経済、金融資本市場の動向を一言で総括するとすれば、「不均衡の拡大」ということになろう。過去を振り返ると、行き過ぎた「不均衡の拡大」は、金融資本市場における大幅な調整によって、修正されるケースが多かっただけに、注視が怠れない。
なお、不均衡が修復されていくケースとしては、(1)米中貿易摩擦における妥協の成立、(2)米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースのスローダウン、(3)中国政府が注力しつつある景気対策の効果発現、などが考えられる。これらの動向を見据えつつ、国内株式相場は引き続き、振幅の大きな展開が見込まれる。個別に、好業績が見込まれる銘柄に注目するとともに、各種の長期的な経営リスク低減に注力する企業群を評価することとしたい。
執筆:QUICK企業価値研究所 チーフストラテジスト 堀内敏成
(提供:QUICK企業価値研究所)
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