いま保有している投資信託と組み合わせて別の投信を購入したいが、どんなファンドを選べばいいか分からない――。そんなときに参考になるのが「相関係数」だ。
今回は足元で好成績を収めているインド株関連ファンドの中で、最も運用期間の長い「イーストスプリング・インド株式オープン」(83311049)をピックアップ。この「新興国株式型」投信との組み合わせに適したファンドを探す。
まず検証するのは、値動きが比較的近い「アジア・オセアニア好配当成長株オープン(毎月分配型)」(0931105A)との相性。日本を除くアジアやオセアニア地域の株式に投資する「グローバル株式(先進・新興複合)型」だ。新興国株式型との相関係数(日次1年)は0.89と高い。
5対5の割合で投資した「合成」のリターン(分配金再投資ベース、週次1年・年率)は27.92%。「インド株式」だけに投資した場合の30.58%と、「アジア・オセアニア好配当成長株」だけに投資した25.26%のちょうど中間だった。
価格変動を示すリスク(標準偏差、週次1年・年率)は「インド株式」だけに投資した場合が15.35%で、「アジア・オセアニア好配当成長株」は12.89%。2ファンドの平均を単純に計算すると14.12%になる。ところが実際にこの組み合わせで同額ずつ投資した「合成」のリスクは13.16%で、平均値より0.96ポイント低くなる(図1参照)。この差がリスク低減の効果だ。
次に値動きの異なる国内株式型の「フィデリティ・日本成長株・ファンド」(32311984)との組み合わせを見てみる。「新興国株式型」と「国内株式型」の相関係数は0.39と低い。
「合成」のリターンは28.62%で、「インド株式」と「日本成長株」の中間の値になった。「合成」のリスクは11.25%で、2ファンドの平均(13.56%)を2.31ポイント下回る(図2参照)。リスク低減効果はこの組み合わせの方が大きくなった。
このようにリターンはどちらの組み合わせでも2つのファンドを足して半分にした数値を維持する一方、リスクの低減幅は相関が低い組み合わせの方が大きくなった。複数のファンドに投資して全体の価格変動リスクを低減しながらリターン向上を狙う分散効果を上げるには、相関が低く値動きの傾向が異なるファンドの組み合わせが有効と言える。
▼相関が高い組み合わせ投資
* リスク リターン
*インド株式オープン 15.35 30.58
*アジア・オセアニア好配当成長株OP(毎月分配) 12.89 25.26
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平均 14.12 27.92
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合成 13.16 27.92
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リスク低減効果 ▲0.96 ―
▼相関が低い組み合わせ投資
* リスク リターン
*インド株式オープン 15.35 30.58
*フィデリティ・日本成長株・ファンド 11.76 26.65
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平均 13.56 28.62
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合成 11.25 28.62
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リスク低減効果 ▲2.31 ―
※単位は%、小数点以下3位を四捨五入。▲はマイナス。
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(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)