「債券でしか運用していないのに、なぜ株式投資信託?」
「基準価額が高いと割高で、低いと割安?」
2月23日夕に「#投信あるある104」というハッシュタグを付けた投稿がツイッター上に登場すると、瞬く間に投信ブロガーをはじめとする個人投資家や識者らによるつぶやきの輪が広がった。
呼びかけたのは、積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)に関する個人投資家の意見交換会(つみたてNISA Meetup、通称:つみップ)を担当する金融庁の職員だ。ハッシュタグは「#」の後に言葉を書くことで特定のテーマであることを示す検索用のキーワードで、「104」は「とうし(投資)」を意味する。
金融庁は昨年からつみップの開催を重ねている。参加者から投資対象となる投資信託の仕組みに関する初歩的な質問を受け、「確かに投信ってわからないことが多い」と感じたのが投信あるあるを始めたきっかけという。
投信の制度や仕組みは難解な専門用語が多く、未経験者や初心者にはわかりにくい。投信でよくありそうな勘違いや投信購入時の体験などをつぶやくことで、広く情報を共有しようというわけだ。
「債券は満期まで保有すれば元本が確保されるのに、債券で運用する投信に元本割れリスクがあるのはなぜか」
「金利の高低と債券価格の上下との関係は?」
「国内非居住者になる海外赴任者は投信を購入できるのか」
「実際の取引に適用されるのはいつの基準価額か」
インターネットなどで調べても正しい答えにたどり着くのが容易でない「投信の常識」がサイバー空間の集合知で浮かび上がりつつある。
金融庁は「貯蓄から資産形成へ」の旗を振り、投資家の裾野拡大に腐心する。3月16日に東京で開催するつみップでは、「#投信あるある104」を参考にしながら、「投信のよくある誤解」について、ゲストを交えて話し合うことも予定しているようだ。
(QUICK資産運用研究所)