世界の株式相場が大きく値下がりした2月は、国内の株式で運用する投資信託の運用成績も悪化した。国内公募の追加型株式投信(ETF、DC・ラップ専用を除く)で、2月末時点の純資産総額(残高)が100億円以上の「国内株式型」について調べたところ、2月の月次リターン(分配金再投資ベース)がプラスだったのは、160本のうちわずか2本だった。
運用成績トップは「DIAM新興市場日本株ファンド」(4731107B)はプラス1.67%。「スパークス・M&S・ジャパン・ファンド」(80311071)がプラス0.28%で続いた。上位10本はすべて配当込み東証株価指数(TOPIX)のマイナス3.70%を上回った。
上位10本は、円高など外部環境の影響を受けにくいとされる「新興企業株」や高い業績の伸びが期待される「成長株」、時価総額が小さい「中小型株」を中心に投資するファンドが並んだ。
一方で運用成績の下位10本のうち、投資対象の資産に加えて外国為替取引の対象となる円以外の通貨にも投資することができる「通貨選択型」が半分を占めた。株安と円高の「ダブルパンチ」に見舞われた格好で、成績上位に比べると、価格変動リスクの大きいファンドが並んだ。
また成績下位にも「成長株」や「小型株」などに投資するファンドが入った。運用が大きく悪化したファンドと、踏みとどまったファンドでは、それぞれ組み入れた銘柄の値動きが明暗が分けたようだ。
(QUICK資産運用研究所)