楽天証券が手掛ける独立系金融アドバイザー(IFA)事業が順調に拡大している。提携するIFA法人は3月末時点で92社と半年間で10社増え、IFA法人に所属する外務員は約120人増の1092人にのぼる。同時点のIFA経由の預かり資産残高は3821億円となり、半年間の純資金流入額は935億円に達した。
■カンファレンスで表彰
楽天証券が17日に都内で開いた「楽天証券IFAカンファレンス」は、同社と提携する200人近くのIFAが参加した。年2回開催しており、今回が20回目。同カンファレンスでは実績に基づきIFA法人と個人を表彰するのが恒例だ。
半年間の売り上げ(受取報酬)総額と預かり資産残高増加額の上位を対象とした「ベスト・パフォーマンス賞」「ベスト・アセットグロース賞」は、ともにアイ・パートナーズフィナンシャル、ファイナンシャルスタンダード、CSアセットの3社が法人部門の上位3位を占めた。内部管理体制に優れたIFA法人を表彰する「ベスト・コンプライアンス賞」は、GAIAが最優秀賞に輝いた。
各賞の法人部門の順位は下記の通り。
<ベスト・パフォーマンス賞>
第1位 アイ・パートナーズフィナンシャル
第2位 ファイナンシャルスタンダード
第3位 CSアセット
<ベスト・アセットグロース賞>
第1位 ファイナンシャルスタンダード
第2位 アイ・パートナーズフィナンシャル
第3位 CSアセット
<ベスト・コンプライアンス賞>
最優秀賞 GAIA
優秀賞 SHIPS
優秀賞 FPアソシエイツ&ファイナンシャルサービシズ
■人生100年時代、IFAの役割高まる
各賞で第1位(最優秀賞)の法人に受賞に至った背景を聞いたところ、アイ・パートナーズフィナンシャルが「所属IFA数が146人(19年3月末時点)と業界トップクラス」、ファイナンシャルスタンダードは「月5回程度の顧客セミナーや相場を語らないアドバイスの徹底」、GAIAは「兼務ではない専任のコンプライアンス担当者の配置」などを挙げていた。
金融庁は「高齢社会における金融サービスのあり方」について、具体的な原則策定や制度設計のとりまとめを進めており、証券会社や銀行など特定の金融機関に所属しないIFAが果たす役割についても議論にのぼっているようだ。「人生100年時代」を迎え、IFAの個人資産運用における役割が高まっている。楽天証券は昨年7月にIFAを養成するビジネススクールを開講するなど注力しており、個人の資産運用にも変化をもたらしそうだ。
(QUICK資産運用研究所 高瀬浩)