【QUICK Money World 村田菜々子】IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を対象としたアンケート調査で、IFAになってよかったこととして「顧客のための提案ができる」を挙げた回答者が9割に上ることが分かった。「商品のラインナップ」「顧客との関係」についても大多数の回答者が肯定的な見方を示しており、顧客に寄り添った提案ができる点にIFAの強みを感じている回答者が多いようだ。
回答者の「IFAになって良かったこと」
出典:アドバイザーナビ株式会社が運営する「IFA転職」より
IFAとは、特定の金融機関に所属せずに顧客の資産運用についてアドバイスをする専門家のこと。今回の調査は、全国の金融商品仲介業者に所属するIFAを対象に、IFAのマッチングサイト運営などを手掛けるアドバイザーナビ(東京・中央区)が実施した。調査期間は2023年1月16日~3月16日で、218名が回答した。
主な担当顧客層については「富裕層」「準富裕層」との回答が約5割を占め、一定以上の資産がある顧客が中心となってIFAを利用していることが分かる。ただ「マス層」(純金融資産保有額が3000万円未満)が主な顧客層との回答も22%あり、資産形成への意識が高まるなか、今後IFA需要がより幅広い層に広がるか注目される。
回答者が利用している証券会社は楽天証券が58%でもっとも多く、SBI証券(56%)、あかつき証券(41%)が続いた。楽天証券は「利用する証券の総合満足度」の質問項目でも、「非常に良い」と「良い」の合計で8割を占めるなど高い評価を得ている。
回答者属性については40歳以下が過半数を占めた。また「IFAとしての活動年数」については過半数が3年以下なのに対し、金融商品の販売等を行う「外務員としての活動年数」は10年以上が7割近くを占めており、外務員としての経験を積んだうえで転身したIFAが多いようだ。
自由記述形式で聞いた「IFA業界の課題点」では、「IFA業界全体が顧客本位に動けているか不明瞭であり、社会的地位が確立できていない」など、IFA全体のレベルの底上げや認知度向上に問題意識を持った回答が多くみられた。所属金融機関の方針に縛られず顧客提案の自由度が高いがゆえに、IFA本人の力量や考え方に左右される部分が大きいと言えそうだ。