2月5~9日(第2週)の1週間で米国上場の株式ETF(上場投資信託)から大規模な資金が流出した。QUICK FactSet Workstationによれば全体で289億9633万ドル(3兆1504億円)の資金がネット流出となり、このうちS&P500に連動するスパイダーS&P500ETFだけで231億2020万ドルの資金が流出し、全体の79%を占めた。
ナスダック100指数に連動するパワーシェアーズQQQトラストの39億8014万ドルも含めれば、大型ETFの2つだけで全体の流出額の93%を占める計算だ。
世界同時株安の中でパッシブ投資家や個人投資家が主力のETFに解約売りを出したとみられる。一方、この週で最も資金が流入したのはiシェアーズ・コアS&P500の11億552万ドルで、大型株の一角には押し目買い意欲の強さがみられた。
なお分類別でみると、この週は「債券ETF」が8億6894万ドルのネット流入となったほか、VIXロング、ショートなどのデリバティブ関連ETFを含む「オルタナティブ」が7億993万ドルのネット流入となったが、コモディティ(9億2948万ドル流出)、アセット・アロケーション(8685万ドルの流出)、通貨(2658万ドルの流出)などは流出が相次いだ。
金価格に連動するSPDRゴールド・シェアーズからも8億6942万ドルの資金が流出し、キャッシュ化の動きが強まった。
2月5~9日の米国上場株式ETFのファンドフロー・流出トップ10
(注)QUICK FactSet Workstationより
(QUICKデリバティブズコメント)
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