新規株式公開(IPO)銘柄が大型株を上回る堅調なパフォーマンスをみせている。年初から3月9日までの日経平均株価は5.7%下落したが、過去1年に上場したIPO銘柄の値動きを基に算出する「QUICK IPOインデックス(単純平均ベース)」は6.5%上昇した。トランプ政権の政治不安や円高など外部要因の影響を受けやすい大型株より中小型株が選好される展開となっている。
【年初からの株価推移】
「QUICK IPOインデックス(単純平均ベース)」の9日の終値は前日比2270ポイント(0.79%)高の28万9475だった。指数構成銘柄のうち、上昇率が最も大きかった銘柄はロードスター(3482)で前日比13%上昇した。次いでウェーブロック(7940)とウェルビー(6556)がともに8%だった。
例年3月はIPOが集中する傾向があり、今年も月末に向けて新規上場が相次ぐ。
23日には低価格のヘアカット専門店「QBハウス」を運営するキュービーネットホールディングス(6571)が東証に上場する。27日にマザーズに上場予定のRPAホールディングス(6572)は、人工知能などを用いて人に代わって作業するRPA(Robotic Process Automation)に関する企画から開発、サービスの提供などを手掛ける。同社はソフトバンク(現ソフトバンクグループ・9984)出身の高橋知道氏が2000年に立ち上げた。RPAホールディングスの上位株主にはソフトバンクも顔をみせる(2月20日時点)。最新技術を活用したビジネスは個人投資家に注目を集めやすい。
来週(12~16日)は神戸天然物化学(6568)など3社の新規上場が控える。SOU(9270)、キュービーネットホールディングス、ファイバーゲート(9450)、RPAホールディングス、アジャイルメディア・ネットワーク(6573)、アズ企画設計(3490)はブックビル期間が終了する。
【来週のIPO】
上場日 銘柄名 コード 想定価格 仮条件 公開価格 市場 主幹事
03/15 神戸天然 6568 2340円 2140-2340 2340円 マザ SMBC日興証券
03/16 日総工産 6569 3570円 3130-3250 3250円 東1 みずほ証券
03/16 フェイスNW 3489 1340円 1340-1400 1400円 マザ 野村証券
(注)マザはマザーズの略
【参考:IPOワールド】
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