QUICKが15日まとめた6月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」によると、決算の開示時間について、株式市場の取引時間中に前倒しで発表することに対し、7割の上場企業が消極的であることがわかった。
6月のQUICK短観は373社の上場企業が回答。このうち317社が決算発表時間の前倒しに関する特別質問に回答した。調査期間は6月1日~12日。
2018年3月期決算ではトヨタ自動車が取引時間中の開示・記者会見に踏み切り大きな話題を集めた。欧米では主流ともいえるザラ場決算発表についてのスタンスを聞いたところ、「取引時間中の発表は検討していない」が50%(160社)と最も多く、次いで、「取引時間中の発表は当面ない」が21%(67社)と続いた。2つあわせて全体の7割を占め、上場企業は開示時間の前倒しを強く拒否した格好だ。「取引時間中への変更を検討している」はわずか9%(27社)にとどまり、「すでに発表時間を取引時間中にした」が20%(63社)だった。
決算の開示時間を株式市場の取引時間中へ前倒しすることは、投資家の利便性への配慮や、決算内容が当日の株価に反映されやすい利点などがある。「市場フレンドリー」な決算発表が定着するにはまだまだ時間がかかりそうだ。
■製造業DI、1ポイント悪化のプラス29 2カ月ぶりの悪化
6月の「QUICK短期経済観測調査」では、製造業の業況判断指数(ディフュージョン・インデックス、DI)がプラス29と、前月調査(プラス30)から1ポイント悪化した。悪化は2カ月ぶり。金融を含む全産業DIは前月から変わらずのプラス35だった。業況判断DIの回答企業数は373社(製造業は147社)。今後3カ月で景況感がどのように変化するのかを聞いた「先行き」はプラス31で、前月から2ポイント悪化した。
※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。