足元で株価の最高値更新を続けているフェイスブック。2018年4~6月期の決算発表は、米西部時間25日14時(日本時間26日朝6時)だ。QUICK FactSet Workstationによると、20日時点の市場予想EPS(1株利益、Non-GAAP)は前年同期比14%増の1.90ドル。売上高は、広告収入の伸びがけん引し同43%増の133億ドルと高い成長ペースを維持する見通しだ。前回の決算を受けて個人情報不正利用問題に対する過度な懸念も一服し、市場は新たな成長ドライバー探しに動き始めている。
【フェイスブックの18年4~6月期決算に対する市場予想】
・売上高 :133億5000万ドル(43%増)
・広告売上高 :131億6000万ドル(44%増)
・うち携帯向け広告 :118億7900万ドル(49%増)
・1株利益(EPS) :1.90ドル(17%増、Non-GAAP)
1.71ドル(30%増、GAAP)
(注)増加率は対前年同期
個人情報不正利用問題への懸念は一服している。1~3月期決算を確認した後、フェイスブックの株価は、ネットフリックス、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグル)を加えた「FANG」との連動を取り戻しつつある。24日には中国での子会社設立による業績拡大期待から、株価は一時216.20ドルまで上昇。連日で上場来高値を更新する好調さだ。企業に個人情報の利用を制限する欧州の「一般データ保護規制(GDPR)」も、市場では、フェイスブックのように毎日利用される交流サイト(SNS)にとっては消費者の安心感につながると解釈された。
<フェイスブック(青)とFANG(緑)の株価推移>
懸念されていたユーザー離れも「DAU(日次アクティブユーザー)」を見る限りでは確認されていない。増加ペースはやや伸び悩むものの、ユーザー数増加の基調は続くと市場は見ている。今回の決算では、不正利用問題やGDPRの影響に対する楽観論、つまりDAUの伸びに対する市場予想を達成できるかどうかを確認するという位置づけになるだろう。
楽観論が台頭してくると、市場としては次の成長ドライバーに関心が向かう。アナリストや投資家の間では、収益化が始まったばかりの「インスタグラム」や、まだ収益化できていない対話アプリ「ワッツアップ」に対する期待が高まっている。その期待を高めるようなデータ、あるいは何らかのメッセージが会社側から示されれば、株高基調に弾みがつくかもしれない。(吉田晃宗)
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