スマホなどを使った販売店向け決済サービスを提供するスクエアは8月1日、2018年4~6月期の決算を発表する。EPS(1株あたり利益)の市場予想は0.11ドル(非GAAPで希薄調整後、QUICK FactSet Workstation)。0.09~0.11ドルを掲げる会社予想の上限まで期待は高まっている。2009年設立のベンチャーは育ち盛り。顧客層がまだまだ広がるとみた投資家が多く、株価は右肩上がりだ。
<18年4~6月期業績の市場予想>
売上高(GAAP) 7億7810万ドル(41%増)
EPS(GAAP) 0.04ドルの赤字(横ばい)
EPS(非GAAP) 0.11ドル(57%増)
※()内は前年同期比
※売上高は22社の予想。1株損益は非GAAPが34社、GAAPが18社の予想
(QUICK FactSet Workstationをもとに作成)
スクエアのICカードリーダーはスマホのイヤホン端子に差せば、クレジットカード決済もできるレジになる手軽さが受けている。顧客層は37%が飲食店、28%がサービス業、23%が小売店舗だ。米国やカナダだけでなく、日本やオーストラリア、英国にも展開している。
スクエアは中小企業向けの融資や人気レストランのフードデリバリーサービス「キャビア」も手がける。送金が簡単にできる「スクエアキャッシュ」では、1月から仮想通貨ビットコインの取引もできるようになった。
1~3月期の売上高は前年同期に比べ45%増えた。ビットコインの取引を始めたのが底上げした。ビットコインの収益を除いても増収率は37%を確保している。
4月には電子取引を可能にするネットシステム基盤を提供するWeeblyを買収すると発表し、業績拡大の期待が高まりそうだ。スクエアの加盟店に、実店舗だけでなくネットでも顧客と取引ができる包括的サービスを提供する。
【過去2年の株価チャート】
軽い投資負担を魅力にして中小規模の店舗を取り組むビジネスには未開拓の顧客層が多いとされ、将来の成長期待は高い。決算発表前の株価はじり高となり、一時は70ドル台まで水準を切り上げた。予想PER(株価収益率)は100倍を大きく超える。(今田素直)
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