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過剰流動性+低ボラ=FOMO相場 強い米株どこまで続く

QUICKコメントチーム=片平正二 

9日の米国市場でダウ工業株30種平均は続伸して211ドル81セント(0.73%)高の2万8956ドル90セントで終え、主要3指数はそろって史上最高値を更新した。米決算シーズンを前にマーケットに好影響を与えそうなものとして、米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート(B/S)が拡大していることが挙げられる。

ニューヨーク連銀は9日、レポ取引で金融市場に831億ドルの資金を供給した。翌日物のレポ取引で488億ドル、2週間物で343億ドル、合計で800億ドル超の資金を供給。応札額は予定額を下回り、7日のように応札が予定を上回ることはなかったが、今週は1800億ドル超の資金が順当に金融市場に供給されたことになる。FRBのB/Sは10日時点で4兆3000億ドルを超えそうで、量的緩和(QE)ピーク時の4兆5000億ドル台を目指す流れとなりそうだ高

モルガン・スタンレーは6日付けのリポートで、FRBをはじめとする中央銀行が流動性を供給していることを踏まえ、2020年上半期にS&P500指数が3500まで上昇する可能性があると指摘していた。リポートでは「QEと呼ぶかどうかは別として、この過剰流動性がボラティリティを極めて低い水準にまで抑制し、市場のリスクを排除する可能性がある」とし、過剰流動性相場が起きていると指摘。FRBがレポ取引のひっ迫を受けて2019年9月から大量の資金を供給したが、「2000億ドル近い資金が株式市場に流入しており、このうち約半分が米国株に流入していると計算している」とのこと。高値警戒感があるものの、FOMO(投資家が買い場を逃すことを不安に感じる、Fear Of Missing Out)のリスクも高まりそうで、米株が強い流れが続けば日本株も連れ高しそうだ。

※QUICK Market Eyes®はトレーダーやディーラー、運用担当者の皆さまに向けたQUICK独自のマーケット・コメントサービスです。日米の個別株から債券を含めた先物市場まで幅広くカバー。証券会社や機関投資家など運用・調査の現場への取材を通じて得た専門性の高い金融情報を提供します。


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