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新型肺炎、コンセンサスDIも足踏み 4カ月ぶり改善止まる 小売りの悪化鮮明

QUICKコメントチーム=根岸てるみ

新型肺炎の世界的な拡大により、持ち直しの兆しが出ていた企業業績見通しの雲行きが怪しくなってきた。主要企業の業績予想の変化を示すQUICKコンセンサスDIは、1月末時点で金融を含む全産業ベースがマイナス21と前月から1ポイント悪化。悪化は4カ月ぶりで、小売りなどの非製造業に対する弱気な見方が全体を押し下げた。

 非製造業DIは前月から3ポイント悪化のマイナス10だった。なかでも「小売」がマイナス25(前回はマイナス4)とマイナス幅が急拡大した。今回のDIには反映されなかったかもしれないが、新型肺炎拡大を受けてファーストリテイリング(9983)が中国で100店を休業するなど、この問題による小売セクターのさらなる業績下押しが懸念される。

一方、製造業DIは1ポイント改善のマイナス30と、7カ月連続(変わらずを含む)で改善した。

算出対象16業種のうちDIがプラスだったのは「建設」のみだった。

3カ月前の予想純利益と比べて上方修正率が最も大きかった銘柄は、アルミ圧延で国内最大手のUACJ(5741)だった。市場予想の平均であるQUICKコンセンサス(1月21日時点、5社)によると、2020年3月期の連結純損益は7億2000万円の赤字見通しだが、21年3月期は最終黒字に転換する予想だ。脱プラスチックの動きが追い風となり、リサイクルが容易とされるアルミ缶需要が高まっているほか、タイ子会社が初の経常黒字に転換する見通しも寄与する。

そのほか、東芝(6502)やアドバンテスト(6857)など電機セクターの上方修正が目立った。

3カ月前の予想純利益と比べて下方修正率が大きかった銘柄は、三菱自動車(7211)。足元の業績は最終赤字に転落したほか、ディーゼル車に関する不正疑惑でドイツの検察当局の捜査を受けるなど、業績の先行き不透明感が強まっている。

◆QUICKコンセンサスDIとは◆
アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出する。DIがマイナスなら、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っていることを意味している。5社以上のアナリストが予想している銘柄が対象で、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかが分かる。

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