QUICK Market Eyes=池谷信久
新型肺炎の感染拡大が懸念されるものの、米国株式相場は堅調に推移している。14日の米株市場ではS&P500種株価指数が終値ベースで過去最高値を更新した(緑線)。米国は新型肺炎の影響が相対的に低いことから、リスク回避的に米国市場に資金が流入していることが株高の一因と言われている。
株価と消費マインドの連動性は強く、米ミシガン大学が14日に発表した2月の消費者態度指数は100.9と2018年3月以来1年11カ月ぶりの高水準となった(青線)。同指数の100超えは16年のトランプラリー以前では、ITバブルの00年や住宅バブルの04年までさかのぼる。株高による資産効果が足元の消費マインドを押し上げている構図がみてとれる。
今週は2月の米製造業PMIなど、製造業関連の経済指標が複数公表される。米中貿易戦争の休戦で回復基調にあるセンチメントが新型肺炎で悪化すれば、株価にも影響を与える可能性があり要注目だ。アップルが17日に1~3月期の売上高見込みの達成が難しいとの見方を表明した後だけに、今晩の米国株の値動きが今後のグローバルマーケットの展開を占う試金石になるかもしれない。
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