QUICK Market Eyes=片平正二
■大規模資金流出
19日の米国市場で日本株ETFで純資産が最大のiシェアーズMSCIジャパン(EWJ)から大規模な資金が流出した。QUICK FactSet Workstation(QFW)によれば1億1252万ドルの流出となり、過去1カ月で7億ドル超の流出となった。
■連動性高く
この日の米国市場でEWJは5日続落し、0.17%安で終えた。米主要指数が史上最高値圏にある一方、ドル高円安の流れの中、為替ヘッジ無しのEWJはドルベースでの為替差損が響く状況となっている。EWJとドルベース日経平均のチャートを並べてみると、似たような値動きとなっているのが分かる。
一方、この日はJPモルガンベータビルダーズ日本ETF(BBJP)からも2億ドル超の資金が流出した。中国の湖北省武漢市を中心に感染が拡大している新型コロナウイルス(COVID-19)に伴い日本の景気が悪化するとの見方から、米日本株ETFからの資金流出が続いている。
■JPモルガンのTOPIX先物売りが話題
20日の先物市場では証券会社の売買手口がプロの間で話題となった。TOPIX先物で主な売り方に浮上したのがJPモルガン証券の2649枚だった。同社はこれで4日連続で大きくTOPIX先物を売り越し、今週は累計で2万枚超売り越したことになる。市場ではBBJPから資金が流出していることから、JPモルガン経由のTOPIX先物売りが同ETFの資金流出と関係しているのではないかとの指摘が出ているが、TOPIX先物売りの金額ベースの規模は同ETFの流出規模の2倍以上と大きいため、EWJとの関連も気になるところだ。