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コロナショックで業績見通しDIが悪化 直撃「サービス」は▼11→▼40へ

QUICKコメントチーム=川口究

新型コロナウイルスの感染拡大が企業業績を直撃している。主要企業の業績予想の変化を示すQUICKコンセンサスDIは、2月末時点で金融を含む全産業ベースがマイナス23と前月から2ポイント悪化。悪化は2カ月連続で、サービスなどの非製造業に対する弱気な見方が全体を押し下げた。

▼30で前月比横ばいの製造業は影響これからか

非製造業DIは前月から8ポイント悪化のマイナス18だった。なかでも「サービス」がマイナス40(前回はマイナス11)とマイナス幅が急拡大した。三越伊勢丹ホールディングス(3099)などはインバウンド(訪日外国人)需要の減少が痛手となるほか、足元では新型肺炎拡大を受け、オリエンタルランド(4661)が東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを2月29日~3月15日まで休園するなど、サービスセクターの業績先行き不透明感は根強い。

一方、製造業DIは前月と変わらずのマイナス30だったが、新型肺炎問題が長引けば製造業のサプライチェーン(供給網)に悪影響が及び、業績が下振れする懸念もある。 算出対象16業種のうちDIがプラスだったのは3業種で「建設」、「医薬品」、「銀行」だった。

楽天は「送料問題」と「格安携帯」が懸念材料

3カ月前の予想純利益と比べて上方修正率が最も大きかった銘柄は、武田(4502)だった。市場予想の平均であるQUICKコンセンサス(2月26日時点、5社)によると、2020年3月期の連結純損益は929億1400万円の赤字見通しだが、21年3月期は最終黒字に転換する予想だ。アイルランド製薬大手シャイヤーとの統合シナジー、継続的なコスト最適化などが寄与する。

このほか、中外薬(4519)が上方修正銘柄の5位に入り、医薬品セクターのDIのプラス転換に寄与した。

3カ月前の予想純利益と比べて下方修正率が大きかった銘柄は、楽天(4755)。足元の業績は最終赤字に転落したほか、公正取引委員会がネット通販「楽天市場」で送料表示の見直しに対し、緊急停止命令を申し立てるなど、業績の先行き不透明感が強まっている。4月中に本格参入する携帯電話事業で赤字覚悟の半値攻勢に打って出ると見込まれていることも懸念材料だ。

(注)QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出する。DIがマイナスなら、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っていることを意味している。5社以上のアナリストが予想している銘柄が対象で、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかが分かる。

 

 


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