QUICK Money World=片平正二
11日の米国市場で画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディアが6日続伸し、3.23%高の322.62ドルで終えた。一時は324.50ドルまで上昇して2月20日に付けていた上場来高値を約3カ月ぶりに更新した。
■「スイッチ」好調で業績見通し上げ
米証券会社ニーダム・アンド・カンパニーが11日付のリポートで、投資判断の買い(バイ)を維持しながら目標株価を270から360ドルに大幅に引き上げたことが好感された。リポートでは2022年通期の同社による業績見通しを引き上げたほか、任天堂(7974)のゲーム機「Nintendo Switch」の売上高予想を上方修正したことを反映したという。目標株価は2022年通期の予想株価収益率(PER)で35.6倍の水準と言うが、過去の予想PERのピーク(36~38倍)に近いものとのこと。
QUICK FactSet Workstationによれば、エヌビディアをカバーする39社のうち、ニーダムは最上位(360ドル)とした3社目の会社となる。
■FANG買いも一役
同日の米国市場ではナスダック指数が6日続伸し、主力ハイテク株が堅調な展開が続いている。ICEの「「NYSE FANGプラス指数先物」は年初来で18.26%の上昇となり、ナスダック指数(2.45%高)を大きく上回る状況にある。
NYSE FANGプラス指数はフェイスブック、アップル、アマゾン・ドットコム、ネットフリックス、米検索大手グーグルの親会社であるアルファベット、中国の電子商取引(Eコマース)大手のアリババ・グループ、ポータルサイトの百度(バイドゥ)、エヌビディア、テスラ、ツイッターらいわゆる主力モメンタム株で構成されるもの。この日にエヌビディアは上場来高値を更新し、アマゾンやネットフリックス、アルファベットなどのプラットフォーマー銘柄は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて業績期待が根強い中、年初来の高値圏で堅調だった。
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