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米経済指標に並ぶ「過去最悪」、個人消費の回復には時間がかかりそう

QUICK Market Eyes=池谷信久

■米小売売上高は過去最悪、消費マインド改善には時間を要す

15日に発表された4月の米小売売上高は前月比16.4%減と2カ月連続で過去最大の下げ幅を更新した(緑棒)。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ外出制限や店舗の営業停止により、衣料品や家電などの売り上げが大幅なマイナスとなった。

一方、5月の消費者態度指数(ミシガン大学調べ)は約8年ぶりの低水準となった4月からわずかに回復した(青線)。調査担当者は、コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES法)に基づく現金給付や、値引きの動きが広まったことで、購買意欲が高まったと分析している。

CARES法は売上高の急減に苦しむ企業や個人の生活を支援する「安全網」が柱であり、景気浮揚効果は限られる。「値引き」が消費意欲を支えたとすれば、デフレマインドが広がる恐れもある。米個人消費の回復には時間がかかりそうだ。

※米小売売上高と消費者態度指数

※米小売売上高(緑棒)と消費者態度指数(青線)

■米鉱工業生産は、101年間で最大の下げ幅

生産活動の厳しさも経済指標で浮き彫りになっている。15日に発表された4月の米鉱工業生産指数は前月比11.2%低下し、1919年の統計開始以来101年間で最大の下げ幅となった(青棒)。新型コロナウイルス対策で工場の操業が停止し、需要も低迷している。設備稼働率は前月から8.3ポイント低下し、64.9%まで落ち込んだ(緑線)。生産と消費。いつ底入れするのか。そしてどこまで戻るのか。まだまだ米経済指標から目が離せない。

※米鉱工業生産指数(青棒)と設備稼働率(緑線)

※米鉱工業生産指数(青棒)と設備稼働率(緑線)

 

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著者名

QUICK Market Eyes 池谷 信久


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