QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2020/06/10)
・今期は市場関連損益、与信費用に悪化の懸念
20/3期連結純利益は前期比14%減の465億円。与信費用の上振れなどで会社計画500億円は未達。会社は21/3期の連結純利益を前期比14%減の400億円と計画。企業価値研究所も同額を予想。新型コロナウイルス対応の融資増加で貸出収益に上振れ余地があるが、市場関連損益や与信費用に悪化懸念があるとみる。当研究所は連結純利益を22/3期420億円、23/3期500億円と予想。22/3期は高水準の与信費用を想定。23/3期は引当金の戻りを一定程度織り込んだ。千葉銀行との提携効果は収益面で一定の下支えになるとみる。当面は抜本的な構造改革に取り組む東日本銀行の再生が課題となる。
・財務懸念は少ない。株主還元は高水準続く見通し
20/3期末の普通株式等Tier1比率は約12.3%。財務懸念は少ない。株主還元方針は「総還元性向50%目処」から20/3期初に「配当性向35%以上+機動的な自己株取得」へ変更したが、20/3期の総還元性向は自己株取得含め63%。21/3期は横浜銀行創立100周年の記念配当で増配を計画。株主還元は高水準が続く見通し。
・リスクファクター ~新型コロナ、相場変動等
・アナリストの投資判断 ~経済活動持ち直せば徐々に上値余地。還元期待は下支えに
当研究所の21/3期予想PERは11倍、実績PBRは0.4倍程度。経営統合(16年4月)後の平均をPBRでは下回る。金利低下で地銀の収益環境は引き続き厳しく、新型コロナの影響で与信費用の増加リスクもあり、当面株価の力強い回復は展望し難い。一方で景気敏感株であり、今後経済活動が徐々に持ち直せば、株価にも上値余地が出てくるとみる。自己株取得を含めた高水準の株主還元への期待は、株価を下支えしよう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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