8~12日の週の米株式相場は週後半に乱高下した。新型コロナウイルスの感染第2波への警戒感が実体経済に及ぼす懸念が広がった。急落直後に急反発するなど再びボラティリティが上昇しそうな地合いとなりつつある。12日に米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した9日時点の建玉報告で投機筋のポジションを見る限り、相場変動に一喜一憂といったところのようだ。
■E-MINI S&P500先物
急落前のE-MINI S&P500先物の投機筋の建玉は買いポジションがほぼ横ばいだった一方、売りポジションが高水準を維持したままだった。相場下落には好都合なポジションだったと言えそう。(参考記事:米株急落、強気個人に「第2波」の試練 なお続く波乱相場の理由)
■VIX指数先物
一方のVIX指数先物では売りポジションが増加基調を維持していた。相場急落を受けて原資産となるVIX指数は急騰し40を突破。その後は36まで低下したものの、売り残を積み上げてきた期間はおおむね30を下回って推移してきただけに、ひとまず思惑が外れたかっこうとなった。
■銅
グローバルな経済活動への不安感が再浮上しつつも、銅先物のポジションでは買いポジションは増加し売りポジションが減少した。差し引きでも1月下旬以来の買い越しとなっている。先物価格そのものも上昇基調にあり、景気の先行きに対し悲観へ傾いたとは言い切れないようだ。
■原油
この週は原油先物も急落した。米株式同様、安値から一本調子で戻りを演じてきただけに利益確定売りが出やすかった。投機筋の原油先物の建玉は直前まで高水準にあった。