新型コロナウイルスが米州大陸を中心に感染の勢いを再加速させている。経済活動が再び停止しかねないリスクと隣り合わせの中でグローバルマーケットにはいくつかのトレンドが見え始めている。26日に米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した23日時点の建玉報告を見ると投機筋は米株先物で大きなポジション変更を迫られた様子が浮かび上がる。一方でドル売りのポジションを徐々に膨らませている。
■対ドルの投機筋のポジション
以下は主要通貨のドルに対する投機筋のポジションを合成したチャート。差し引きのドル売りポジションは前の週からさらに増加し、1月下旬以来およそ5カ月ぶりの水準に膨らんでいる。
ポジションを膨らませているのはユーロだ。FRBの積極的な緩和姿勢を背景にドル安トレンドを見込んでいると言えそう。
■原油と銅、そして金
投機筋は足元で原油先物のポジションを大きく傾ける動きは見せていない。
一方で銅先物では引き続き買い越しを積み増す傾向が続いた。銅先物相場は右肩上がりの戻りを見せている。さらにロングポジションを取りに行くのか、引き続き注目されそうだ。
米長期金利の長期的な低位安定がマーケット内で定着しつつある。潰れる利回りを見越し金先物相場は一段高の展開となっている。投機筋も相場に乗る格好で買い越し幅を増大させた。
■E-MINI S&P500先物
E-MINI S&P500先物では大きな動きが判明した。それまで高水準に積み上がっていた売り建玉が急減した。原指数のS&P500種株価指数自体はそれほど強くはないものの、ナスダック総合指数はハイテク株買いによって押し上げられ1万の大台を再び突破。全体的に米株式相場は強い。この中で投機筋が買い戻しを迫られた可能性がありそう。結果的に「売り方による踏み上げ相場」が米株相場の押し上げに寄与した側面もありそうだ。
■VIX指数先物
米株式相場が緩やかなリスクオンの地合いにあり、やや売り越し幅が増加。ただ、米株式相場の先行きを暗示するようなポジションの変化とは言い難い。
<金融用語>
シカゴIMM投機筋ポジションとは(CFTCとは)
CME(シカゴマーカンタイル取引所)の一部門であるIMM(International Monetary Market)で取引される通貨先物に関する投機筋の買い建て玉、売り建て玉の枚数の変化数値。米国ではCFTC(Commodity Futures Trading Commission=全米先物取引委員会)の元、各先物商品の未決済ポジション・データの公表が義務付けられており、その一環として公表されている。毎週火曜日の取引終了後に各取引所はデータをCFTCに提出、集計したデータを金曜日の取引終了後(日本時間土曜日の午前5時30分頃)にCFTCはホームページ上で公表している。ヘッジファンドなど投機筋のポジションの変化をとらえることで相場の方向性を知る手段として市場で注目されている。