7月中旬も世界市場では株や債券、為替の主要な相場がもみ合いを続けている。一見すると「凪」に見える地合いにあっても、投機筋は粛々とポジションを構築しているようだ。17日に米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した14日時点の建玉報告を見ると投機筋はVIX先物の売りをさらに積み増している様子が明らかになった。貴金属では銅や銀の買い越しが増えている。
■米株式
「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数は25台まで再び低下してきた。この過程で投機筋はVIX指数先物の売り残を増やし、差し引きの売り越し幅も前週から拡大させている。このまま低下基調が続けば利益を得る公算が大きい反面、相場の混乱時に原指数が上昇に転じると先物の買い戻しが押し上げに拍車をかける可能性がある。
E-Mini S&P500先物で投機筋はやや買いポジションを増やした。ただ、売り残も増えており差し引きではほぼ横ばいといった程度にとどまった。
■貴金属のポジション
貴金属で目立つのは銅先物の買いポジションが右肩上がりで増えている点だ。差し引きの買い越し幅も増えている。
銀先物も同様に買いポジションが増加している。
一方で金先物については買い建玉の増加に一服感が出始めた。相場は高値圏にあるだけに利益確定の売りもありそう。ただ、売り残はほぼ横ばいだった。
■通貨のポジション
QUICKが独自にまとめたドルに対する主要通貨のポジションでは、投機筋に目立った動きは見られなかった。依然として全体的にドル売りポジションを維持しているようだ。
■原油先物のポジション
原油先物に関してもポジションに大きな変動は見られなかった。