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コロナと投資、アセマネOne岩谷氏に聞く「新しい時代の幕開け」

記事公開日 2020/7/27 09:40 最終更新日 2020/7/27 09:40 資産運用・資産形成 投資信託 トレンドを知る 資産運用研究所 トレンドを知る

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で金融市場は混乱を極めた。未曾有の危機に直面した運用のプロ達は何を考え、どう乗り越えていくのか。国内株式の運用を担当するアセットマネジメントOneの岩谷渉平ファンドマネジャーに話を聞いた。

■「必要とされるもの」が鮮明に

――コロナショックで感じたことを教えてください。

「グローバルにみて、新型コロナの問題は命をとるか、経済をとるかという深いテーマになっています。人々の不安は政治への不満として表れ、その一方で創薬や感染予防など科学に対する期待が膨らみました。金融市場はちょうどその真ん中に位置して、不満と期待の両方を適切に受け止めることが期待されているように感じます」

「これからの社会で必要とされるものと、されないもの。今回のショックでその違いが鮮明になり、市場はそれらを選別する役割をしっかり果たしています。必要とされない製品・サービスの需要は下がり、そうした企業の株価は調整しています。一方、米国のバイオ関連など新しい技術や研究で命を救おうと挑戦する企業には多くの期待が集まり株価は上昇しました」

■劇的に変化した分野に注目

――国内で注目している業種・テーマはありますか。

「日本には新型コロナの根本的な解決に関わる企業はなかったものの、もう少しミクロの観点から注目したのは『働き方・行政・家・医療・教育』です。これらはコロナの前と後で変化が加速した分野で、どれも新しい時代をつくっていく重要なテーマだと考えています」

「例えば、オンライン会議システムというツールの浸透で働き方は一変しました。移動時間も交通費もかけずに、家に居ながら仕事ができるようになったのです。システム自体は今までも存在していましたが、人々はぎゅうぎゅうの満員電車に乗って通勤していました。ところが今回、強制的にオンラインを試したところ、問題なく仕事をこなせることに気づいたのです」

■非効率な行政も見直しへ

――コロナ禍で「行政」は混乱していたように見えます。

「今回政府がマスクを国民に配るのにあれだけの時間がかかりました。10万円の特別定額給付金を振り込む手続きも混乱が見られました。いざ行政が国民を助けたいと思ったとき、ことはそう簡単にすすまないことが露呈しました。素早く実現させるためのツールが不足しているのです」

「例えば、日本のハンコ文化は行政の効率化を妨げている一因です。ハンコの捺印を求められる機会が多く、テレワーク推進の阻害要因にもなりました。いずれ見直しの動きが出てくるはずで、電子署名サービスなどで『脱ハンコ』に取り組むGMOクラウド(3788)や弁護士ドットコム(6027)などに市場の関心が集まっています」

■経営者の危機対応を注視

――コロナ禍の銘柄選びではどのような点を重視しましたか。

「混乱期に経営者はどう動くのか、そのかじ取りを注視していました。3月に株式相場が暴落したとき、積極的に行動した経営者とそうではない経営者にくっきり分かれました。経営者の大切な資質のひとつは、平時には調子に乗りすぎることなく、事業の進行ペースをコントロールしつつも、有事においては勝負どころを察知して、果敢に打って出られることです。ここで積極的に対応した経営者が率いる企業は、将来的に大きく成長すると思います」

■ライフスタイルが大きく変化

――印象的な出来事はありますか。

「人々のライフスタイルが本質的なところで大きく変わった点です。コロナ禍によって、多くの人が家族一緒に長い時間を家で過ごすという珍しい体験をしました。今までは家の外でがんばって働いたり勉強したりするのが当たり前で、家はひと休みする場所に過ぎませんでしたが、生活の中心が外から家へ移り、家を大事にしようと思う人が増えたと思います」

「コロナ禍で自殺者が減ったというデータが出ています。一般的に景気が悪くなると自殺者が増える傾向にあると言いますが、今回は家で過ごす時間が増えた結果、人々の幸福度が上がったのかもしれません。この変化はとても印象的です」

■新しい時代の始まり

――今後、世界はどうなっていくと考えていますか。

「これから楽しみに思っていることは、今回起きた変化を当たり前のものとして生きる子どもたちがどんな大人になり、10年後、20年後の社会をどう形づくっていくかです。子どもたちはコロナ禍で突然学校に行けなくなるという経験をし、大人たちが会社に行かずに働いて生活を続けるといった姿を目の当たりにしました。そんな子どもたちが社会人になったとき、おそらく今のままの企業文化や風習になじむことはないでしょう。ものすごく大きな世代間ギャップが生まれる中で、若い世代の常識に合わせられない企業は廃れていくと思います」

――コロナが落ち着いたら元のスタイルに戻ることはないのでしょうか。

「一度便利さを知ったら、前のスタイルに完全に戻ることはありません。釣り竿の使い方を知った人が手づかみで魚を捕らなくなるのと同じです。新型コロナ対応で便利なツールが次々と登場し、人々のライフスタイルはガラリと変わりました。2020年は新しい時代の始まりの年です。人類史に残る重要な年になるでしょう」(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

◇岩谷氏が運用に関わる公募投資信託の最新月次レポートはこちら

「厳選ジャパン」(47313179)

「DIAM新興市場日本株ファンド」(4731107B)

 

著者名

QUICK資産運用研究所 望月 瑞希


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