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NY金、初の2000ドル突破 根強い先高観、投機マネーも集中

記事公開日 2020/8/4 10:33 最終更新日 2020/8/4 10:33 金融緩和 商品市況 上場投資信託(ETF) NQNセレクト

金価格の上昇に拍車が掛かっている。国際商品市場でニューヨーク金先物相場が7月31日に中心限月として初めて1トロイオンス2000ドルの大台を突破した。世界的な金融緩和策を背景とした実質金利の低下などを理由に、行き場を失ったマネーが集中している。アナリストも強気に傾き、関連資産も活況だ。市場参加者の先高観はなお根強い。

■世界のマネーが向かう

ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である2020年12月物は、日本時間の7月31日夕に2005.4ドルまで上昇し、最高値を更新した。同日清算値は1985.9ドル。さすがに利益確定の売りが上値を抑えたが、日本時間3日は再び2000ドルに迫っている。年初来での上昇率は30%と、米国株高のけん引役であるナスダック総合指数(20%)を上回る快走ぶりだ。

※NY金先物とナスダック総合指数の推移
※NY金先物とナスダック総合指数の推移

世界的な金融緩和策が背景にある。じゃぶじゃぶに供給されたマネーは各国の国債金利を大きく押し下げた。名目金利から予想物価上昇率を差し引いた実質金利は、主要先進国で軒並みマイナスに沈む。債券に投資するよりも、お金を失わないための選択肢の一つとして、価値が目減りしない金に世界のマネーが向かっている。

分散投資での需要も高い。異常な低金利のいまの国債は、金利低下時に価格が上がらず、金利上昇時は値下がり幅が大きい「負のコンベクシティ」に似た性質を持つ。株安で抱える損を債券高で相殺しきれないだけでなく、株安・債券安のリスクさえある。「ポートフォリオでの債券の有用性は日に日に低くなり、ほかの選択肢として金が選ばれている」(ナティクシス・インベストメント・マネージャーズのジャック・ジャナスウィックス氏)

金は買い材料に事欠かず、アナリストの鼻息は荒い。オーストリアのライファイゼン・バンク・インテルナチオナールは7月末、20年末の金価格の見通しを2000ドルから2250ドルに引き上げた。オーストラリア・ニュージーランド銀行も同日、向こう6~12カ月の予想を2300ドルに上方修正。4月に3000ドル予想を打ち出していたバンク・オブ・アメリカは、いまも強気だ。

■関連資産も活況

先高観が強まり、金にひも付く資産も活況だ。QUICK・ファクトセットによると、米国市場に上場する金の上場投資信託(ETF)の主要銘柄は年初来の累計で300億ドルほどの流入超。米国債ETFを上回り、資金流入が頭打ちの米大型株ETFに迫る。純資産総額が最も大きい「SPDRゴールド・シェアーズ」の大口保有者には名だたるヘッジファンドの名前が並ぶ。ETFを通じたマネーの流入が金価格を押し上げている面もある。

※金ETFへの資金流入が足元で加速

個人の関心も高まっている。貴金属のオンライン取引を手掛ける英ブリオンボールトでは7月下旬から取引量が急増。欧州を中心に、新規顧客数も記録的な多さとなった。日本では、国内地金商の最大手の田中貴金属工業でも、新規口座開設の申込件数が伸びている。投信経由の買いも目立ち、三菱UFJ国際投信の「三菱UFJ 純金ファンド」は純資産総額を基準価額で割った口数が増え続けている。

金価格の上昇で潤いそうな金鉱株にも資金が向かう。S&P500種株価指数がようやく前年末の水準を取り戻す中、金や銅の生産・販売などを手がける米国のニューモントは年初来で6割上昇した。カナダのバリック・ゴールドも急ピッチで上昇し、カナダの株価指数を大きく上回る。市場参加者は金上昇の恩恵を受けようと、うの目たかの目で関連資産探しに躍起だ。

■ボラティリティーが高まるリスク

ただ、気になる動きもある。金の上昇が加速した7月21日以降、商品投資顧問(CTA)が売りに傾いている。市場推計では、31日時点の買い持ち高はピークだった21日を100として4割ほど減ったもよう。活況のウラで少しずつ資金を待避させる動きだ。ナティクシスのジャック・ジャナスウィックス氏は「金はまだ投機マネーが多く、ボラティリティー(変動率)が高まるリスクがある」と注意を促す。

今は実質金利の低下度合いに比べ、金価格の上昇幅が大きい。「持続的に2000ドルを上回るファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)ではない」(JPモルガン)との見方もある。同じ貴金属の銀は、値動きの大きさから「悪魔の金属(デビルズ・メタルズ)」とも呼ばれる。極端にマネーが集中しているだけに、いつ金が悪魔の顔に変わっても不思議でない。〔日経QUICKニュース(NQN)松下隆介〕

<金融用語>

CTAとは

Commodity Trading Advisorの頭文字をとったもので、直訳すると商品投資顧問業者にあたるが、一般的にはヘッジファンドなど、商品先物のみではなく、通貨、株価指数先物など広範な金融商品分散投資して、顧客から預かった金融資産を運用する企業や運用者を指す。 代表的な運用手法のひとつとして、金融工学や統計学をベースに、コンピュータで先物をはじめとする様々な金融商品の値動きの流れ(トレンド)を解析し、分散投資することで相場の上げ下げにかかわず、上下どちらに振れても収益を狙うトレンド・フォロー(追随)型の運用手法であるマネージド・フューチャーズがある。

 

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 松下 隆介


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