ソニー(6758)が8月4日にオンラインで開催した2020年4~6月期決算の説明会では「変化」「イメージセンサー」「ゲーム」といったキーワードへの言及が目立った。説明会の内容をテキストマイニングして分析した。
ソニーは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で非開示としていた21年3月期の連結業績見通し(国際会計基準)を開示した。本業のもうけを示す営業利益は前期比27%減の6200億円を見込み、市場予想の平均である「QUICKコンセンサス」を6%下回った。
ソニーの決算では各事業で新型コロナによる環境の「変化」が浮き彫りになった。
4~6月期はゲーム&ネットワーク事業が大幅増益となった。外出自粛による巣ごもり生活で、ゲーム機やゲームソフトの販売が好調だった。有料会員サービスのプレイステーションプラスの会員数は6月末時点で約4500万人に達した。年末に発売が予定されている次世代ゲーム機「プレイステーション5」は開発や生産が順調に進んでいるという。
苦戦するのがスマートフォンのカメラなどに使われる半導体の画像センサーだ。この製品を含む「イメージング&センシング・ソリューション」部門は、20年3月期の営業利益が1300億円と前期より約1000億円の減少を予想する。影響したのは米中対立の激化だ。具体的なメーカー名は伏せたものの華為技術(ファーウェイ)向けの高価格帯センサーの出荷が難しくなったとみられる。新型コロナの影響で売れ筋のスマートフォンが中価格から低価格帯にシフトしていることも、ソニーにとっては逆風だ。
アナリストやマスコミの質問でも画像センサーの先行きに強い関心が集まった。
十時裕樹副社長兼最高財務責任者(CFO)は「短期的には高価格帯のスマートフォンの需要一服や在庫調整を見込んでいるものの、長期的なトレンドは変わっていない。低価格から中価格帯スマートフォンにおいてもカメラレンズの複眼化の流れに変化は無い」として、21年度下半期にかけて利益成長を期待していると説明した。(QUICK Market Eyes 阿部哲太郎)