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緩いコロナ対策が追い風、アラビカ豆価格が上昇―マーケット・リスク・アドバイザリー・新村氏

足元、コーヒー価格は上昇しており、前期比ベースでみた場合の価格上昇率は原稿執筆時点でアラビカ豆が+18.9%、ロブスタ豆が+15.7%と各々弊社が重要としてチェックしている商品群の中でアラビカ豆の上昇率は木材、銀、上海銀、ビットコインに次ぐ5位、ロブスタ豆は8位となっている。

※ICEコーヒー先物の推移
※ICEコーヒー先物の推移

■下落する見通しだった

以前、このコラムではコロナウイルスの影響で消費が減少し、価格が下落するとみていた。前回見通しは2月頃に下値余地を探るとしていたが全く逆で、コロナの影響に伴うロックダウンの影響によって価格は上昇、その後、ロックダウンが解除する中で需給緩和が意識され価格が下落した。これはコーヒーの生産がいまだに自動化されている訳ではなく人的労働力に頼る部分が大きいことが影響している。つまり、ロックダウン解除に伴う生産活動への影響が緩和されると見られたことが価格下落につながったわけだ。実際、6月時点で発表された米農務省の需給報告では、世界の生産は表年(生産量が隔年で増減する。果樹ではよく起きる)にあることもあり前年比+915万袋の1億7,609万袋、需要の+784万袋の増加を相殺し、需給バランスは+681万袋の980万袋と、2年振りの供給過剰になるとの予想を示していた。コーヒーに関しては足元、説明力が低下しているため弊社も参考程度にしか見ていないのだが、需給比率(需要÷供給)も93.1%と2014-2015年以来の水準に低下する見通しである。

■上昇の理由

この見通しにも関わらず価格が上昇しているのは、1.供給面が再び意識されている、2.各国の金融緩和の影響で多商品と比較して相対的に割安な商品物色の流れ、によるものと考えられる。

1.については感染拡大が続く世界最大の生産国であるブラジルで、ボルソナロ大統領が特段コロナウイルスの対策を行っていないこと、それに伴い輸出が実際に減少している。ブラジルのコーヒー輸出業者協議会であるCECAFEの集計では、6月のコーヒー輸出は185万4,727袋と、同じ時期の過去5年の最低水準を下回った。この間、ブラジルレアル安が大幅に進行しており、通常であれば輸出が増えてもおかしくないのだがそうなっていない。これは前述の通り生産・輸出活動にコロナウイルス問題が大きく影響しているためと考えられる。結果、国際需給がひっ迫し、価格を押し上げていると考えられる。これは工業セクターで銅や鉄鉱石が物色されているのと同じ構図で、アラビカ豆の投機筋のショートポジションが、6月末時点から▲30.2%も減少し44,307枚まで減少していることにも反映されていることからも明らかである。

また、2.についても6月末までは前期比の騰落率がアラビカ豆は▲16.3%で65品目中62位、ロブスタ豆も▲2.0%で55位だった。しかし、各国中央銀行が金融緩和を続け、商品市場では循環物色が始まっており、割安銘柄への投資が始まった可能性が高く、コロナの影響による供給減少が材料となり、コーヒーにも買いが入る形となった。

では今後はどうか。残念ながらブラジル政府の動き、コロナのワクチン開発動向に大きな影響を受けることになるため正直なところなんとも言えない。しかし、今のところ供給面に焦点が当たっているためどちらかといえば強含みやすい展開になると予想される。ただ、銅など、中国の公共投資需要といった「特需」がある商品とは異なり、嗜好品に分類されるコーヒー価格の上昇は限定されるとみるのが妥当だろう。


新村 直弘(にいむら なおひろ)氏
東京大学工学部精密機械工学科卒。日本興業銀行入行、バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券を経て2010年5月に企業向け価格リスク制御のアドバイスを専業とする株式会社マーケット・リスク・アドバイザリーを設立。テレビ東京やNHK、日経CNBC等でコメンテーターを務める。また日経新聞や週刊ダイヤモンド、週刊東洋経済等のメディアにも多数寄稿。著書に「調達・購買・財務担当者のための原材料の市場分析入門」、「天候デリバティブのすべて」「コモディティデリバティブのすべて」がある。

著者名

マーケット・リスク・アドバイザリー 代表取締役 新村直弘

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