8月7日に米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した4日時点の建玉報告では投機筋が引き続きドル売りポジションを積み上げている様子が判明した。加えて米30年物国債の先物でも売り越し幅が拡大している。
■対ユーロでドル売り加速
QUICKがまとめた主要通貨に対する投機筋の建玉では継続してドル売りポジションが膨らんでいる。内訳では対ユーロでの売りが突出して増加している。「ユーロ圏は米中対立激化の悪影響を受けにくいとの見方も下支えとなって上昇基調」(みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジスト)といい、投機筋もこの流れに乗っている可能性がありそう。
■米超長期では売り
ここにきて目立ち始めたのが米30年物国債先物に対する売りだ。7月から徐々にポジションを積み上げてきている。FRBの政策により米金利は低位安定が続くとの見方が大勢を占めつつも超長期ゾーンでは違った展開も視野に入れているのか。気になるところ。
■ビットコインでは高水準の売り
差し引きではほぼ横ばいが続いてきたビットコイン先物だが、7月下旬に売り建玉が増加。売り越し幅が拡大し、この週はポジションを維持した格好となった。ビットコインはこの時期に価格が一段高となっているだけに、投機筋は上値余地が乏しいと見ているのかもしれない。
■貴金属
銀先物の上昇相場が加速しているが投機筋は既に「降りた」様子が見て取れる。先行して相場の上昇に一服感が出ている銅先物では目立った動きは出ていない。金先物も歴史的水準にあるが、投機筋は買いポジションを膨らましている様子はない。むしろわずかに売り建玉を膨らませた。