新興国株式型の投資信託で解約額が設定額を上回る資金流出超が続いている。国内公募の追加型株式投信(ETF除く)のうち、新興国の株式で運用するファンドの資金流出入額(推計値)を集計したところ、月次ベースで2018年9月から23カ月連続で解約が設定を上回った(図表1)。2年近くにわたり、資金流出超が続いている。
個別にみると、7月末時点で過去2年間の流出額が最も多かったのは、アセットマネジメントOneの「新興国ハイクオリティ成長株式ファンド<愛称:未来の世界(新興国)>」で、2000億円を超える資金が流出した(図表2)。持続的な利益成長が期待できる世界の企業の中から割安な銘柄に厳選投資する「未来の世界」シリーズのひとつで、新興国関連の株式に対象を絞っている。販売会社はみずほ証券の1社。
17年12月の設定時には977億円の資金を集め、年間の当初設定額でトップだった。純資産総額(残高)は18年7月末に月末ベースで最高の2628億円まで増えた後、減少傾向となっている。運用成績は20年7月末時点の2年騰落率(分配金再投資ベース)が47.8%と好調だが、相対的にリスクの高い新興国株式で運用する同ファンドからは資金が流出している。
次に流出額が大きかったのは「野村インド株投資」。運用成績が低迷し、資金流出が続いている。他にも流出上位10本にはインド株に投資するファンドが目立ち、どのファンドも2年騰落率が2ケタのマイナスに落ち込んでいる。
新興国株式型全体で資金流出が続くなか、流入超過のファンドもあった(図表3)。主にベトナムの株式に投資するファンドと新興国の株価指数に連動して運用するインデックス型だ。流入上位10本のうちインデックス型が4本あり、この中の3本はつみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)対象ファンドだった。金額自体はそれほど大きくないが、低コストのインデックス型には積み立て投資などを通じて継続的に資金が流入している。
(QUICK資産運用研究所=望月瑞希)