アウトドア用品のスノーピーク(7816)が8月12日の大引け後に発表した2020年1~6月期の連結決算は、営業利益が前年同期比44%減の2億6200万円だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響による商業施設の休業などを受けて売上高も同4%減の65億円だで、大幅な減益を余儀なくされた。
8月18日にオンラインで開いた説明会をテキストマイニングして分析したところ、焦点となったキーワードは「キャンプ」「オンライン」「アメリカ」などだった。
説明会で山井梨沙社長は「withコロナ時代」におけるアウトドア需要の高まりを強調した。4~5月は家庭でアウトドアを体感したいという需要から「家で使える調理器具やヒーティングの商品が人気だった」と説明した。6月にはテントやタープ、焚火台などキャンプで実際に使う商品が好調だったという。特にテントの売上高は前年同月比47%の大幅な伸びとなった。
一方で1~6月期は海外の全地域で前年同期比で増収となった。「各国でソーシャルディスタンスを確保できるレジャーや都市部のロックダウン(閉鎖)の反動によりキャンプが人気化した」ためだ。SNS(交流サイト)や動画配信のYouTube、オンラインのイベントなどデジタル・マーケティングを強化したのも奏功した。米国で企画したオンラインでのキャンプイベントは当初定員250組限定のところ、計40カ国から3800組が参加するほどの賑わいだった。
アナリストやマスコミの質問ではコロナの感染者の多い「アメリカ」に強い関心が集まった。山井社長は「アメリカだけではなく日本、アジア、ヨーロッパなどステイ・アット・ホームを強いられた世界中の皆さんが、あらためて自然が人類にとって非常に大事なものだと認識された」と振り返った。米国の人口の50%が過去1年間にキャンプに行ったことがあるという。山井太会長は「1億6000万の人口がある」巨大なマーケットだと述べ、中国と並び「グローバルの最重要マーケット」だとして攻勢をかける考えを示した。(QUICK Market Eyes 阿部哲太郎)