独ESG評価会社アラベスクS-RayのESGスコアランキングで、8月31日時点の日本企業の首位は7月末と同じオムロン(6645)だった。上位ではマブチモーター(6592)が11位と、7月末の116位から浮上したのが目を引いた。
■上位の顔ぶれに大きな変化なし
上位10社の顔ぶれに大きな変化はなく、2位は7月末と同じ東京エレクトロン(8035)。3位はポーラ・オルビスホールディングス(4927)が4位から順位を上げた。70点台の企業は5社と、7月末より1社減った。
海外企業も含めた世界ランキングでは、オムロンが10位と7月末から順位を1つ下げた。トップ20に入ったのは14位の東エレクを含めて2社で、7月末に比べ1社減った。日本企業556社の分布状況を10点刻みで見ると、50点以上60点未満が263社と最も多く、全社平均は53.53点だった。
アラベスクS-Rayは70カ国・地域以上の7000社を超える企業について、公開情報と世界の情報元からESG評価に必要なデータを自動収集し、人工知能(AI)による独自の手法でESGスコアを毎日更新している。ESGスコアは100点満点で、E(環境)、S(社会)、G(企業統治)の3つのサブスコアから構成され、ESG課題の株価へのインパクトを考慮して、業種ごとに重きを置く評価項目のウエートを変えている。
■マブチは「社会・環境報告書」の英語版もホームページに掲載
マブチのESGスコアは7月末の60.68点から69.11点に上昇した。サブスコアをみると、環境、社会、企業統治の3スコアそろって上昇したが、社会と環境の上昇が目立つ。環境や人権への取り組みが評価されているようだ。
同社のホームページで、ESG情報というページを開くと、社会・環境報告書を掲載している。2020年版では「マブチグループの価値創造」という特集を載せ、経営理念である「国際社会への貢献とその継続的拡大」の具体化に向けた活動を取り上げている。英語版の報告書も出している。
マブチの株価は8月に18.8%上昇した。同社は同月13日に2020年12月期第2四半期決算を開示。1~6月期の連結純利益が前年同期比87%減の8億6000万円だったのに対し、併せて示した12月期通期予想は前期比65%減の50億円だった。下期の回復見通しが手掛かりの1つになったようだ。ただ株価は昨年末を10%下回った水準にある。
ESGスコアの上位銘柄をみると、3カ月前、1年前と比べた株価騰落率がそろって上昇している銘柄ばかりではない。それでも新型コロナウイルス禍をいかに克服するかが問われる中で、ビジネスモデルのレジリエンス(強靭性)や持続可能性を判断する材料の1つとしてESG課題への対応力に注目する必要もあるのではないだろうか。(QUICKリサーチ本部 遠藤大義)