【QUICK Market Eyes 片平 正二】3日の米国市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに大幅反落し、807ドル77セント(2.77%)安の2万8292ドル73セントで終えた。この日に発表された8月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が前月比1.2ポイント低下の56.9となり、4カ月ぶりに低下して市場予想(57.0)を下回ると足元で相場をけん引してきたアップル(AAPL)など主力ハイテク株が急落する展開だった。
■バブルor Not?
アトランタ地区連銀のボスティック総裁が「資産バブルを懸念すべき」と述べたほか、シカゴ地区連銀のエバンス総裁が「不確実性が高いのに株高となっているのは驚きだ」などと述べたことが伝わると米連邦準備理事会(FRB)による株価支援に対する期待が後退し、ダウは下げ幅を一時1025ドルに広げ、恐怖指数のVIXは7.03%高の33.60で終えて6月30日以来、2カ月ぶりに30台を突破した。マイクロソフト(MSFT)が94ドルの押し下げ要因となり、値下がり28、値上がり2銘柄でほぼ全面安の展開だった。
2日にアップルの時価総額がラッセル2000採用銘柄の合計額を上回るなど、足元で主力ハイテク株の強さが突出していたところで反動安が強く出た。QUICK FactSet Workstationによれば2日に史上最高値を更新したS&P500指数の予想株価収益率(PER)は27倍近くで2000年以来の高水準にあり、個別銘柄・セクター間で格差があるとは言え、1株当たり利益(EPS)が増えない中でPERの拡大に合わせた株高が続いていた。
■愚かなお金
米経済専門チャンネルのCNBCの著名コメンテーターのジム・クレーマー氏は3日、ダウの急落を受けて「私は愚かなお金(stupid money)がたくさんあると思う、そしてそれは財産を築いた。彼らはテーブルから何かを取り除かなければならないので、再び貧乏になることはない。彼らは2000年にそれをしなかった」と述べた。2000年のITバブル後の株安を踏まえつつ、足元でロビンフッダーと呼ばれる個人投資家のバリュエーションを気にしない買いを懸念したアドバイスだった。
エバコアISIの会長を務め、著名エコノミストとして知られるエド・ハイマン氏は3日付のリポートで、「株式市場は2000年よりも安全な場所だ。2000年のようなことを繰り返すことはないだろう」と指摘した。FF金利が当時6.50%と高かったほか、米債の逆イールドがマイナス150bpとなっていたことなどの要素を踏まえ、ハイテク株をパーフェクトストームが襲った2000年と現在の相場は異なると冷静な見方を示していた。
■上げ相場の主役に売り
3日の米国市場では株安を受けて債券が買われたものの、ハイテク株と同様に強かったNY金先物は続落しており、需給的な巻き戻しが幅広いマーケットで続くのか見極めが必要だ。リスク資産の一角であるiシェアーズ・iBOXX$ハイイールド社債ETF(HYG)やSPDRバークレイズ・ハイイールド債券ETF(JNK)といったハイイールド債ETFはそれほど下げず、テスラ(TSLA)やズーム・ビデオコミュニケーションズ(ZM)といったここまでの上げ相場の主役ともいえる個別株の下げがきつかった。