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金融機関の投信販売、REIT型に偏重 共通KPIで判明

【QUICK資産運用研究所=石井輝尚】金融機関が国内で販売している投資信託が特定のタイプに偏っていることが分かった。投信を取り扱う金融機関がそれぞれ発表した2020年3月末時点の共通KPI(成果指標)を分析したところ、各社の主力のファンドは不動産投資信託(REIT)に投資するタイプが多く、しかもそのほとんどが金融庁から「顧客本位ではない」とやり玉に挙げられた毎月分配型だった。

■販売各社の残高上位、資産別に集計

共通KPIは金融庁が投信の販売会社に対し、自主的な公表を求めた3つの成果指標のこと。運用損益別の顧客割合のほかに、預かり残高上位20銘柄のコスト・リターンの分布とリスク・リターンの分布(いずれも過去5年の年率換算)がある。販売姿勢が顧客本位かどうかを「見える化」する狙いで導入された。今年で3回目の公表となる。

あまり注目されることはないが、預かり残高上位の銘柄リスト(設定から5年以上が対象)は各社がどのようなファンドの販売に注力してきたかが把握できる。8月初旬までに共通KPIの公表が確認できた185社を対象に残高上位1~3位を資産別に集計したところ、分布は図表の通りだった。資産ごとに本数ベースで示している。

■REIT型、全体の4分の1超に

本数が最も多かったのは国内や海外のREITで運用するタイプで、全体の4分の1以上を占める。この大部分が毎月分配型だ。毎月分配金を支払うREIT型は国内公募追加型株式投信全体のわずか3%(本数ベース)しかないのに、各社の主力ファンドとしてはそれをはるかに上回る存在感を放つ。QUICK・ファクトセットが集計した世界のREIT市場の時価総額は3月末時点で148兆円程度と、世界の株式時価総額(約7257兆円)の50分の1に過ぎないことを考えると、市場規模から見ても極端な偏りが否めない。

REITなどに投資する毎月分配型ファンドは、高い分配金利回りを売り物にして金融機関が集中的に販売した時期が過去にあった。金融庁の批判などを受けてここ数年は販売を自粛する動きもあるが、依然として預かり残高上位に目立つことが今回の共通KPIで分かった。調査した中には1位も2位もREIT型という販売会社がいくつもあった。残高上位銘柄には各社の販売戦略が表れており、「顧客本位」の姿勢を判断する材料の1つになり得る。

■共通KPI、「役に立たない」の結論早計

共通KPIの3指標のうち、最も注目されているのが「運用損益別の顧客比率」だ。初回の2018年に「投信を保有する個人の半数が損失」とセンセーショナルに報じられ、業界内に波紋が広がった。今年の3月末時点は不運にもコロナショックとタイミング重なり、ほとんどの販売会社で運用損益がプラスの顧客割合が昨年比で大幅に低下。3年分のデータがそろい、マーケットの動向によって大きく振れる数値であることが改めて確認できた。

また、金融機関の業態によって販売手法などが異なり、「この指標だけで横並び比較はできない」との見方も定着した。対面で商品提案する販売会社と顧客が自ら商品を選ぶネット証券、積み立て投資をコツコツ推奨してきた運用会社の直販と特定の時期に販売が急増した販売会社――。ある時点で顧客の何割に利益が出ているかの数値は単純で分かりやすいが、それだけで顧客本位かどうかを一律に評価するのは適さない。

だからといって、共通KPIが「全く役に立たない」と結論づけるのは早計だ。今回はコロナ禍ということもあり、マーケットが底入れした5月末や6月末の数値を追加情報として公表した販売会社が散見された。顧客満足度評価や販売員の資格保有率など、顧客本位の取り組みを示す独自の指標を自主的に開示する動きもある。「必要最低限の形式的な対応」にとどまる販売会社や、ホームページ上の見えにくい場所に掲載している販売会社などは改善すべき点があるが、少なくとも一部の販売会社においては顧客本位の販売姿勢に変わろうとする取り組みをこの指標公表が後押ししているように見える。

著者名

QUICK資産運用研究所 石井 輝尚


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