金融庁は前週末27日、「投資信託の共通KPIに関する分析<2024年3月末基準>」を公表した。投資信託を販売する金融機関などからの報告を金融庁がまとめた結果、24年3月末時点で運用損益がプラスの顧客割合は全事業者(242社)で91%と、23年3月末(233社)の68%と比べ上昇したことがわかった。
投資信託の主な販売会社が共通KPI(成果指標)を公表するのは今年で7回目。損益の算出対象は各年の3月末時点で投信を保有している顧客に限られ、売却済みの分は含まれない。24年3月までの1年間は世界の主要な株式相場が上昇傾向にあり、投資環境がおおむね良好だったことが今回の結果に反映されたとみられる。
金融庁の公表資料をもとに、業態別に24年3月末時点で運用損益がプラスの顧客割合が多い順にランキングにまとめたところ、大手証券では野村証券が95.8%(前年は85.0%)でトップ、大和証券が91.6%(同71.5%)で続いた。
ネット証券では、楽天証券で投信を保有している顧客のうち99.1%、SBI証券では98.9%の顧客が含み益を確保した。前年はそれぞれ84.3%と87.9%だった。
ここで集計対象にした4業態のうち、プラスの顧客割合が相対的に多かったのは直接販売会社。なかでもコモンズ投信は顧客の99.7%(前年は97.7%)が含み益となり、全業態で最高だった。
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