金融情報会社のQUICKは5日、2021年末に事実上の廃止が見込まれているロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の後継指標として同社が算出している「東京ターム物リスク・フリー・レート(TORF)」参考値を、9日から日次で算出・公表すると発表した。
QUICKは5月からTORF参考値を公表。期間は1カ月物、3カ月物、6カ月物の3種類あり、現在は毎週火曜日(第2営業日)に前週分の各営業日のレートをまとめて公表している。9日から毎営業日17時に当日分のレートを公表する。
日銀が事務局を務める検討委員会は、複数の新たな金利指標と東京銀行間取引金利(TIBOR)をLIBORの後継指標と位置付けている。そのうちターム物リスク・フリー・レートについて、検討委員会はQUICKを算出・公表主体に選定している。
検討委員会はLIBORの後継指標について、契約上の参照を前提としない参考値を算出・公表する「フェーズ1」、円LIBORの代わりに契約での参照を前提とする確定値を算出・公表する「フェーズ2」と、段階的に対応する方針。確定値は遅くとも21年半ばまでに公表開始の予定で、確定値と同様の形式で参考値を日次公表することで「LIBORからの円滑な移行に向けた準備をサポートする」(QUICK)という。〔日経QUICKニュース(NQN)〕