10月5日の米国市場で長期債を投資対象とするiシェアーズ20年+米債ETF(TLT)に大規模な資金が流入した。QUICK FactSet Workstationによれば10億2427万ドルの資金流入となり、1月15日(10億2551万ドル)以来、8カ月半ぶりの大きさを記録した。
この日のTLTは大幅続落して1.95%安の159.57ドルで終え、一時は6月17日以来、3カ月半ぶりの安値圏に沈んだ。新型コロナで入院していたトランプ大統領が退院すると宣言したことで、リスクオンの展開となる中で株高・債券安が進む中、TLTも大幅安となった。ただ下げたところでは押し目買いが優勢とみられ、今年2番目の資金流入を記録した格好だ。
その一方、QUICK FactSet WorkstationによればTLTには9月末時点で1756万8470口の空売り残高が残っていた。10月5日時点の発行済み口数(1億2300万口)の14%を占める計算で、下げた局面で空売りの買い戻しに伴う解約で資金流出が起こることも想定されそう。
(QUICK Market Eyes 片平正二)