QUICK Money World(マネーワールド)

個人投資の未来を共創する
QUICKの金融情報プラットフォーム

ホーム 記事・ニュース 米大統領選控え、短期マネーの空中戦にも留意
この記事は最終更新から1年以上経過しております。

米大統領選控え、短期マネーの空中戦にも留意

8日の日経平均株価は反発した。米大統領選やトランプ米大統領の健康問題などに一喜一憂する展開が続く。一方で投資家の不安心理を測り、今後の株価乱高下リスクを映すVIXは10月7日終値時点で28.06と市場の不安心理が高まった状態とされる20を大きく上回っている。VIXの先物カーブを見ると11~12月物にかけて30を上回るなど、米大統領選に備えた動きが進んでいる。

■株式市場の乱高下は続きそう

トランプ大統領とバイデン候補による1回目のテレビ討論会とトランプ大統領が新型コロナに感染して以降、トランプ大統領の再選確率は日に日に低下している。米政治サイトリアル・クリア・ポリティクスがまとめた最新の世論調査の平均によると、トランプ・バイデン両者の差は9.7ポイントと6月下旬以来の水準まで拡大している。

※トランプvsバイデン_世論調査の平均

6日にはトランプ大統領が追加経済対策を巡る与野党協議を大統領選後まで中断すると表明し米主要株価指数は引けにかけて急落。一方、翌7日にはツイッターで「航空業界に250億ドル、中小企業に1350億ドルの給与保護プログラムを承認する用意がある」と呟いたことで、東京市場では株価が反発した。大統領選前まではヘッドラインやトランプ大統領のツイッターで株式市場が乱高下する展開が続きそうだ。

■短期マネーの空中戦

このような状況下、中長期マネーであるロングオンリー勢が売買を見送ることで、短期の資金フロー次第で株価が上下する展開も想定される。

日本市場では「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(NF日経レバ、1570)」や「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(NF日経Dインバ、1357)」といったレバレッジ型ETF・投信の受益権口数の動向も1日の相場の方向を左右しそうだ。

1日、この日は東証がシステム障害の影響で終日売買停止となったが、大阪取引所では先物など金融派生商品(デリバティブ)の取引が通常通り続けられた。この日の日経先物は前日比130円高、出来高は2万5843枚だった。日中の値動きを見ると14時35分近辺から出来高を伴って上昇し始めたことが確認できる。

※日経先物と累計売買高の推移

この日の日経先物の手口を確認すると、日中取引で野村証券が立会・立会外取引合算して約5300枚を買い越していた。

東証が公表するETFの個別株保有状況を示す「インディカティブNAV・PCF情報」によると、NF日経レバとNF日経Dインバの両ETFで日経先物を5176枚買い越していた。野村証券の買い越し枚数とほぼ同数になる。

1日の前営業日にあたる9月30日は日本時間10時から1回目のテレビ討論会が行われ、午後に入り急落。日経平均株価は前日比353円98銭(1.5%)安と大幅反落していた。この日の急落局面で、NF日経レバに押し目買い(先物買い)、NF日経Dインバに利益確定売り(先物の買い戻し)が発生し、1日の大量の先物買い需要に繋がったと見られる。

NF日経Dインバは10月1日時点で受益権口数が4億8798万口と過去最高を記録した。日経平均株価が戻り高値を更新する水準ではこの時同様、NF日経Dインバに資金流入が発生し、NF日経レバには利益確定売りが発生すると見られる。

対照的に、指数が大きく下落する局面ではND日経Dインバに利益確定売り(先物買い戻し需要)が発生し、NF日経レバに押し目買い需要が出てくるとみられる。

中長期マネーが動きにくい状況の中、これら短期マネーの動きといった空中戦により、短期的な値幅が拡大する可能性もありそうだ。QUICK Market Eyes  大野弘貴)

<金融用語>

金融派生商品(デリバティブ)とは

金融派生商品。英語での通称、Derivatives(デリバティブズ)に由来する。外国為替債券株式など元になる金融商品原資産)から派生した取引を指し、原資産の価値に依存してその価格・価値が決まる。 「先物取引」、「先渡し取引」、「スワップ取引」、「オプション取引」、さらにそれらを組み合わせた取引などがある。 原資産そのものを取引する場合、取引者同士の資金ポジションが移転すると同時に、それに随伴する様々なリスク(権利・義務などを含む)も移転する。一方で、デリバティブを利用した場合には、取引者の資金ポジションに変化なく、それに付随するリスクのみを抽出・分解して取引することが可能となる。デリバティブ取引を活用すれば多様な取引ニーズに対応できるようになる半面、複雑で高度なリスク管理技術が必要となる。

202米大統領選

著者名

QUICK Market Eyes 大野 弘貴


銘柄名・銘柄コード・キーワードから探す

株式ランキング

コード/銘柄名 株価/前日比率
1
23,740
+6.74%
2
41,770
-0.26%
3
1,717
-2.99%
4
16,585
-2%
5
4,646
+5.2%
コード/銘柄名 株価/前日比率
1
167
+42.73%
2
440
+22.22%
3
3,405
+17.21%
4
1,022
+17.2%
5
1,054
+16.59%
コード/銘柄名 株価/前日比率
1
1,699
-22.73%
2
9399
ビート
2,730
-20.4%
3
1,342
-16.33%
4
1,216
-15.14%
5
5527
propetec
974
-13.88%
コード/銘柄名 株価/前日比率
1
41,770
-0.26%
2
23,740
+6.74%
3
16,585
-2%
4
8,210
-3.47%
5
26,080
ー%
対象のクリップが削除または非公開になりました
閉じる
エラーが発生しました。お手数ですが、時間をおいて再度クリックをお願いします。
閉じる