国内公募の追加型株式投資信託(ETF、ラップ・SMA専用を除く)を対象に10月の資金動向(20日時点)をまとめたところ、資金流入額(推計値)の上位には米国を中心とした海外の先進国株式や世界の株式で運用するファンドが並んだ。
■「未来の世界ESG」への流入続く
設定から解約を差し引いた資金流入超過額が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」で368億円。7月の運用開始から資金流入が続き、月末時点でも流入額トップなら4カ月連続となる。10月20日時点の純資産総額は6680億円と、国内公募追加型株式投信(ETF、ラップ・SMA専用を除く)で2番目の大きさになった。
2位は7月に運用を開始した日興アセットマネジメントの「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド<愛称:ゼロ・コンタクト>」で340億円だった。当初はSMBC日興証券が1社のみで販売していたが、最近は大手銀行や地方銀行なども加わった。
4位にランクインした三井住友DSアセットマネジメントの「テトラ・エクイティ」には、230億円の資金が流入。市場動向に応じてS&P500種株価指数先物の買い建てと売り建てを使い分けながら収益獲得を目指すファンドで、19年11月の設定から1年足らずで純資産総額が1300億円を超えた。今年10月20日時点の年初来リターンは54.0%のプラスと好調な運用成績を上げている。
■ひふみプラス、年初来で1500億円超の流出に
一方、流出超過額が最も多かったのは、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド<愛称:THE 5G>」で209億円。6月から資金流出が続いている。2位は、レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」の204億円。5月以降は月次ベースで資金流出が続いており、年初来の累計で1500億円を超えた。好成績を受けて利益確保を目的とした売りなどが出ている。
この他の資金流出額の上位には、過去に人気を集めた人口知能(AI)やロボティクスなどのテーマ型ファンドが目立った。
(QUICK資産運用研究所=竹川睦)
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