(QUICK資産運用研究所=竹川睦、西田玲子)国内公募追加型株式投資信託(ETF、DC専用、ラップ専用を除く)を対象に、年初来の資金流入額をランキングしたところ、10月20日時点では今年設定された新しいファンドが上位に目立った。首位はアセットマネジメントOneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」が断トツだった。
■「未来の世界ESG」に6000億円超の資金流入
「未来の世界(ESG)」の設定から解約を差し引いた資金流入超過額は6128億円。7月20日に今年最大かつ歴代2位の当初設定額(3830億円)で運用を開始し、その後も資金流入が続いた。2016年から運用されている「未来の世界」シリーズが好成績を上げていることと、新型コロナウイルスをきっかけに環境や社会などへの影響を考慮した「ESG投資」への関心が高まっていたことから資金が集まりやすかった。
販売会社はみずほ証券、みずほ銀行、みずほ信託銀行の3社。10月20日時点の純資産総額(残高)は6680億円と、国内公募追加型株式投信で2番目の大きさになった。
■海外株式型が上位に並ぶ
2位は日興アセットマネジメントが7月に設定した「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド<愛称:ゼロ・コンタクト>」で2405億円だった。同ファンドはコロナ後の「ニューノーマル(新常態)」のなかで成長が期待される世界の非接触型ビジネス関連企業の株式に投資する。当初はSMBC日興証券1社のみで販売していたが、大手銀行や地方銀行なども加わり、継続して資金が流入している。
3位は「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」、4位は「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド<愛称:アメリカン・ロイヤルロード>」だった。7位までは主に海外株式で運用するタイプが並んだ。
■コロナで健闘したファンドも
コロナショックで健闘したファンドにも資金が集まった。8位の「投資のソムリエ」は唯一、バランス型でランクイン。大幅な値下がりを回避した後に成績を伸ばした実績が注目され、春以降に資金流入が増えている。
9位の「テトラ・エクイティ」は、コロナショック時に大きく値上がりしたファンド。3月末時点で2社だった販売会社は、足元で11社まで増えた。