来週(11月2~6日)の東京外国為替市場で円相場は値動きの荒い展開が見込まれる。最大の注目イベントは、11月3日の米大統領選の投開票だ。これまで選挙戦は民主党候補のバイデン前副大統領が優位との見方が多かったが、終盤でトランプ米大統領が巻き返し、接戦の様相となっている。今回は新型コロナウイルスの感染拡大で郵便投票の比率が高まる見通し。3日までの消印なら受け付ける州もあり、接戦となった場合は3日にどちらも敗北宣言をしないといった混乱が生じることも考えられる。その場合、円相場は1ドル=102円程度まで急伸する可能性もありそうだ。
バイデン氏が勝利し、民主党が上下両院で多数派を占める「トリプルブルー」となれば、円相場は106円程度までの下落を見込む声があった。議会の「ねじれ」が解消されれば、追加経済対策が早期成立しやすくなるとの思惑を誘いやすいからだ。5日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されるが、今回の会合で政策変更を見込む声は少なく、影響は限られるだろう。
同期間の東京株式市場で日経平均株価も乱高下の展開となる可能性がある。前回の米大統領選では、共和党のトランプ氏優勢との見方が強まると一時的にリスク回避の動きが強まったが、政策に対する警戒感が後退するとリスクオンに転じた。結果に対して市場がどう受け止めるかは、現時点で流動的だ。
大統領選、議会選とも民主党が勝利すれば、追加経済対策の早期成立期待から「日経平均は2万4000円に接近する」(みずほ証券の倉持靖彦マーケットストラテジスト)との声は多い。ただ、民主党のバイデン氏が勝利しても議会選挙で共和党が勝利した場合や、大統領選の結果確定に時間がかかるようだと投資家のリスク回避姿勢が強まり、「200日移動平均線の2万2000円近辺までの下落もあり得る」(同)という。
【主な予定】
◇2日(月)
・QUICKコンセンサスDI(10月末時点、8:30)
・10月のQUICK月次調査<債券>(11:00)
・10月の新車販売(自販連と全軽自協、14:00)
・9月末の税収実績(財務省、15:30)
・4~9月期決算=日ハム、帝人、フジクラ、日精工、ヤマハ、オリックス、NTTデータ
・9月の豪住宅建設許可件数(9:30)
・10月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI、10:45)
・フィリピンが休場
・10月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数(3日0:00)
・9月の米建設支出(3日0:00)
・海外決算7~9月期=ペイパル・ホールディングス
◇3日(火)
・文化の日で東京市場が休場
・豪中銀が政策金利を発表(12:30)
・マレーシア中銀が政策金利を発表
・9月の米製造業受注(4日0:00)
・米大統領選の投開票
◇4日(水)
・日銀金融政策決定会合の議事要旨(9月16~17日開催分、8:50)
・10月のマネタリーベース(日銀、8:50)
・大戸屋HDの臨時株主総会(10:00)
・10年物利付国債の入札(財務省、10:30)
・桜田同友会代表幹事の記者会見(13:30)
・10月の国内ユニクロ既存店売上高(15:00)
・10月の財政資金対民間収支(財務省、15:00)
・4~9月期決算=味の素、ニチレイ、三菱ケミHD、日立造、三菱自、SUBARU、リコー、伊藤忠、丸紅、JR九州、ソフトバンク
・1~9月期決算=サントリBF
・10月の財新中国非製造業PMI(10:45)
・ポーランド中銀が政策金利を発表
・10月のADP全米雇用リポート(22:15)
・9月の米貿易収支(22:30)
・10月の米ISM非製造業景況感指数(5日0:00)
・海外決算7~9月期=クアルコム
◇5日(木)
・11月の日銀当座預金増減要因見込み(日銀、8:50)
・三村日商会頭の記者会見(13:30)
・4~9月期決算=キッコマン、王子HD、日本紙、エーザイ、テルモ、フジHD、板硝子、神戸鋼、古河電、ダイキン、スズキ、ニコン、任天堂、三菱商、三井不、郵船、川崎汽、ヤマダHD
・1~9月期決算=アサヒ、SUMCO、昭電工、ライオン、クボタ
・アリババ集団傘下の金融会社アント・グループが香港市場に上場
・9月の豪貿易収支(9:30)
・7~9月期のインドネシア国内総生産(GDP)
・9月のユーロ圏小売売上高(19:00)
・英中銀が金融政策委員会の結果と議事録を発表(21:00)
・英中銀の四半期インフレ報告書(21:00)
・7~9月期の米労働生産性指数(速報値、22:30)
・米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表(6日4:00)
・パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見(6日4:30)
・海外決算7~9月期=アリババ集団、ゼネラル・モーターズ(GM)、ウーバーテクノロジーズ、TモバイルUS、クラウドフレア、スクエア
◇6日(金)
・11月のQUICK短観(8:30)
・9月と7~9月期の家計調査(総務省、8:30)
・9月の毎月勤労統計速報値(厚労省、8:30)
・対外・対内証券売買契約(週間、財務省、8:50)
・3カ月物国庫短期証券の入札(財務省、10:20)
・10年物価連動国債の入札(財務省、10:30)
・10月の輸入車販売(輸入組合、10:30)
・10月の車名別新車販売(自販連と全軽自協、11:00)
・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の7~9月期運用状況(15:30)
・4~9月期決算=日清食HD、東レ、旭化成、日本製鉄、三菱マ、住友電、ミネベアミツミ、シャープ、三井E&S、いすゞ、トヨタ、ホンダ、バンナムHD、住友商、阪急阪神、NTT、スクエニHD、
・1~9月期決算=国際石開帝石、サッポロHD、キリンHD、ユニチャーム
・豪中銀の四半期金融政策報告書(9:30)
・10月の米雇用統計(22:30)
・9月の米卸売在庫・売上高(7日0:00)
・9月の米消費者信用残高(7日5:00)
・海外決算7~9月期=バーチュ・ファイナンシャル
◇7日(土)
・10月の中国貿易統計
(注)時間は日本時間
〔日経QUICKニュース(NQN)〕